野村不動産、亀戸で地域密着型の住宅・商業複合開発

野村不動産(東京都新宿区)は2月19日、東京都江東区における「KAMEIDO PROJECT」と題した総戸数934戸のマンションと商業施設の複合開発を発表した。人気商業施設だった「サンストリート亀戸」跡地の開発で、地域との交流や防災に注力したまちづくりとする。

同物件はJR総武線亀戸駅から徒歩2分の立地。敷地面積は2万2989.26m2。広場とステージを備え多くのイベントも行われ、年間1000万人規模の集客を誇りながら2016年に閉館した「サンストリート亀戸」の跡地。野村不動産では江東区が立ち上げた連絡会にオブザーバーとして参加。店舗など利便施設の不足や児童の急増といった課題を把握できたという。

野村不動産では地域との交流を重視した開発の「ACTO(アクト)」と呼ばれる方針を掲げており、今回の開発でも推進する。店舗数は「サンストリート亀戸」の3倍の約150店舗となる予定。住居棟との間に地域の名店を集め、下町情緒が味わえる横丁を設置する。芝生エリアを設け、これまでのようにステージでのイベントも行えるように準備。児童の増加対策として隣接する第二亀戸小学校の増築用地も用意しておく他、住宅棟内には新設の保育施設も設置する。

マンションの「プラウドタワー亀戸クロス」は地上25階・地下2階建て。間取りは1R~4LDKで、専有面積は29.88~138.44m2。高気密・高断熱の躯体に加え、全館空調を導入。従来型のマンションより冷暖房費を約3割削減し、ヒートショック対策など健康面も訴求する。防災面では免震構造とし、ハザードマップを基に高い場所に電気設備を置くなどの他、防潮板も設置。商業棟にコージェネレーションシステムも設置し、停電時には住居棟にも電気を供給する。

2022年1月下旬に竣工予定で、坪単価は300万円台中盤、3LDKで7000万~8000万円台を見込む。2月19日に東京都港区で行われた記者発表会で、野村不動産の宮嶋誠一社長は「当社の大きなテーマとして地域共生型のまちづくりがある」と述べ、地域とのつながりの重要性を語った。同社ではこの物件内に住民の交流拠点を設け運営する方針の他、サイトを設置し亀戸の魅力発信も実施している。

地域密着の方針を語る宮嶋社長

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