感染経路不明…なぜ5人に 相模原の病院、対策委設置へ

相模原中央病院で新たに1人の感染が確認されたと発表する相模原市保健所の担当者=市役所

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、相模原市は20日、相模原中央病院(同市中央区)で、入院していた80代の男性の感染が新たに確認された、と発表した。同病院で感染が確認されたのはこれで計5人になった。院内感染の可能性は高いものの、感染経路はいまだ不明。同病院は原因を究明するため、専門家らを交えた感染症対策委員会を設置することを決めた。

 市によると、80代の男性は1月11日、消化器系の疾患で入院し、今月12日に発熱した。

 10日から13日まで同室だった70代の男性の感染が19日に判明したため、検査を受けて陽性と分かった。熱はあるが、症状は安定しているという。

 市のこれまでの調査で、5人には何らかの接点があったことが分かった。

 同病院では、入院していた80代の女性が発症後に転院した別の医療機関で死亡。担当していた40代の女性看護師の感染がその後、確認された。

 この看護師は80代と70代の男性の病室を担当。さらに70代の男性は、19日に確認された別の80代の男性とも同室だった。

 ただ、看護師が20日に確認された80代の男性を担当していたのは自身が発熱する4日前だったことから、市は別の感染経路の可能性もあるとみる。そのため、見舞客や退院した患者にも対象を広げて調査し、必要に応じて感染も確認するとしている。

 一方、市教育委員会は20日、児童生徒が過剰に不安を抱くことがないよう対応を求める通知を、市立小中学校全108校に出した。同病院は「職員やその家族がいわれのない差別的扱いを受けている」などとする文書を18日に公表。これを受け、市教委が108校に確認したところ、不適切な扱いはなかったという。

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