クルーズ船下船2日目 乗客2人死亡に「一層不安」

横浜駅近くでバスを降り、駅に向かうダイヤモンド・プリンセス号の下船者ら=20日午後0時10分ごろ横浜市西区

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らの下船が2日目となった20日、横浜港に停泊中の船内から出てきた274人の表情には、喜びと同時に疲労や不安が入り交じった。

 夫と乗船していた埼玉県所沢市の60代の女性は朝に下船を知ったといい、「まだだと思っていたので慌てて準備した。やっと下りられた」と解放感に浸った。ただ、乗船客2人が亡くなったことを知らされると、「お悔やみ申し上げます」と沈痛な面持ちで語った。

 静岡県浜松市の会社役員の男性(68)は「亡くなった人がいると聞いて一層不安になった。船に残された人たちが心配。自分が本当にシロ(陰性)なのかわからない」と不信感を抱きながら帰路に就いた。

© 株式会社神奈川新聞社