立教大学と岩手大学、次世代型応急仮設住宅を体験施設として設置 全国初

立教大学と岩手大学は、災害時に福祉避難所や応急仮設住宅として利用できる移動式木造住宅「ムービングハウス」を全国で初めて内覧・体験可能な形で設置する。2020年2月21日には、「陸前高田グローバルキャンパス」で、ムービングハウスの開所式&内覧会を実施し、関係者による1泊2日の体験型研修プログラムを試行する。

ムービングハウスは、次世代型応急仮設住宅で、従来のプレハブ等の建設型、既存の賃貸住宅を利用する借り上げ型(みなし仮設住宅とよぶ)に対して、移動型の仮設住宅と呼ばれている。一般の恒久住宅として利用できる木造住宅として開発されているため、一般住宅と同等以上の住宅性能を有する。

ムービングハウスは、平常時はホテルや研修施設等として利用し、災害時はトラックに貨物として載せて瞬時に移動させ、福祉避難所や仮設住宅として利用する「社会的備蓄」が可能である。また、トレーラーハウスとは異なり、2~3階建てや水平に連結して広い間取りを構成することができるのも特徴。2018年西日本豪雨の被災地、岡山県倉敷市において、災害救助法に基づく応急仮設住宅として日本で初めて採用され、その後、2018年北海道胆振東部地震、2019年台風19号でも採用された。

立教大学と陸前高田市は、同市の復興に向けた地域課題の解決と地域活性化の実現、発展に寄与することを目的とし、2012年5月に「連携及び交流に関する協定」を締結。2017年4月には、地元の岩手大学とともに「陸前高田グローバルキャンパス」を開設。立教大学は、同キャンパス内にサテライトを設置し、市民や国内外の学生・研究者、企業や行政関係者などの交流活動の拠点として活用を進めている。この取り組みは私立大学連盟「多様で特色ある私立大学の地方創生の取り組み」として高く評価されている。

今回、内覧・体験可能な形で設置する「ムービングハウス」では、2020年3月から、避難生活や医療的ケア児者に対するケアの継続、住宅再建、応急仮設住宅の社会的備蓄等を考える体験型の研修プログラムも開始する予定。

参考:【立教大学】日本初!次世代型応急仮設住宅『ムービングハウス』内覧・体験施設として設置@陸前高田グローバルキャンパス 2/21(金)に開所式&内覧会、体験型研修プログラム(1泊2日)を開催

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