【幕末維新 山口れきし散歩】 No.1 「木戸孝允旧邸跡」

▲小鳥の鳴き声とせせらぎの音が(山口市糸米2)

 幕末には、長州藩の外交官として国事に奔走。後に薩摩藩の西郷隆盛、大久保利通らと並び、維新の三傑と称された木戸孝允。彼は、1864(元治元)年7月19日に起きた禁門の変の後、京都を脱出。但馬国出石(現・兵庫県豊岡市)へと逃れ、そこで250日間におよぶ潜伏生活を送った。1865(慶応元)年5月13日、山口に戻ると、27日、政事堂用掛・国政方用談役心得となり藩政に復帰。1866(慶応2)年1月21日には薩長同盟を締結するなど大車輪の活躍を見せた。この年、山口の糸米に住居を構えるが、下関や三田尻、鹿児島など出張に駆け回る毎日で、静かな生活とはおよそ無縁であった。

防長史談会山口支部長 松前 了嗣

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