2020年2月21日 ジョムティエンビーチの様子(写真:The Pattaya News)
新型肺炎の影響で、中国政府が海外への団体旅行の出国を2020年1月27日の朝から禁止した事を受けて、世界各地で中国人旅行者が突然に消えたように激減しています。
タブロでも以下の過去記事などでお伝えしている通り、パタヤでも中国人観光客が突然消失したように見られなくなっており、その閑散とした姿に衝撃が広がっています。
パタヤでは中国人観光客だけでなく、韓国人観光客も減少しています。これは韓国政府がタイへの渡航に注意勧告を行っているためです。
このように中国人だけでなく、韓国人まで含めて観光客が減って、さぞかし閑散としていると思われがちな観光地のパタヤですが、現場からの取材によると、意外な動きが起きていました。
パタヤ現地メディアのThe Pattaya Newsが取材して伝えています。
以下は2020年2月21日の、ロシアや北欧、欧米等の観光客に人気のパタヤ南部にあるジョムティエンビーチの昼の様子です。
写真を見るとわかる通り、欧米の観光客などが多数、ビーチで休暇を楽しんでいます。
以下は、ジョムティエンビーチで貸し出されているビーチパラソルの下の様子ですが、多くの欧米人の観光客で込み合っています。
運営業者に聞くと、”昼はいつもほとんどが満席で使われている”と答えているほどの大盛況となっているのです。業者はインタビューに、むしろ例年よりも売り上げは大きくなっているほど好調だと答えています。
統計的に正確な数字が出ているわけではありませんが、インタビュー結果によると、中国人観光客などが激減したパタヤは現在、逆に欧米人の観光客などから人気が高まっているようです。
一方で、以下は中国人観光客に人気だったパタヤ市内のパタヤビーチの、同じ2020年2月21日の様子です。
上記の通り、主に中国人観光客向けだったマリンスポーツのボートなどは、依然として閑散としています。これは前回記事の通りですね。
これらの中国人観光客向けの観光業者にインタビューすると、売り上げが激減しているという答えがされていました。
しかし、パタヤビーチもパラソルの下を見ると、以下のように一定数の観光客が回復してきています。
パラソルの貸し出し業者などにインタビューをすると、ある業者は街中のパタヤビーチでは中国人観光客は激減しましたが、その代わりインド人観光客などが増加している印象があるという事をコメントしていました。
現在、インド人観光客はパタヤでも増加しており、その観光客がパタヤビーチの観光業に売り上げをもたらしているようです。
また、ホテル業界にもインタビューをしていますが、中国人観光客向けのホテル以外は、思ったほど影響を受けていないという回答が多くありました。
このような状況を考えると、パタヤでは中国人観光客は激減、韓国人観光客も減少していますが、欧米人観光客やインド人観光客はむしろ増加しており、全体としては思ったほど観光業への悪影響は大きくならないかもしれません。
ただ、もちろん中国人観光客向けのサービス業者などは影響は大きく、そこは明暗がかなり大きく分かれる結果となっています。
一方で日本人観光客は変わらず一定数来ており、中国人観光客が激減した中で、アジア人観光客の中でのプレゼンスを高めている印象もあります。
日本では、パタヤは昨年3月には振り込め詐欺拠点が摘発されたり、今は以下の過去記事の通り、有名企業の冠がついたマンションを買ったら「違法民泊」の巣窟となっていたりと、何かと日本関連の話題も多い町です。
一方で、パタヤは日本政府がタイ政府とともに、生産拠点として投資を推進しているEEC(東部経済回廊)の中心的な都市の一つでもあり、ビジネス的にも注目されている都市です。
中国人観光客が激減したパタヤには、観光地としても、ビジネスにおいても、さらに注目が集まりそうです。(文◎西山哲治)
※本記事は、The Pattaya Newsのオフィシャルパートナーメディアで、日本語版を配信している以下のPJA NEWSに取材協力をいただいて掲載しています。
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