海運大手の日本郵船などが戦前の豪華客船で配布した絵はがきが、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)で展示され、日本人の暮らしぶりや行事、芸能を紹介する37点を取り上げている。
日本郵船は1930年代、日本と北米や欧州を結んだ定期航路の客船の船内で乗客らへのサービスとして色鮮やかな絵はがきを配布した。現在展示されている作品は、ひな祭りや端午の節句、ホタル狩りなどの日本の行事や、茶の湯や生け花、能などの文化・芸能の様子が、着物姿の若い女性などとともに生き生きと描かれている。
客船絵はがき収集家の笠原喜保さん(73)=川崎市宮前区=が所蔵する膨大なコレクションの一部。笠原さんは「飛行機が登場する以前は船でしか海外と往来できなかった。訪日外国人が珍しかった当時、日本の船会社が絵はがきに込めた日本のイメージは興味深い」と話している。
展示スペースは年に数回、作品を入れ替えている。入場無料。問い合わせは、大さん橋総合案内電話045(211)2304。