医師主導治験を支援 横浜・次世代臨床研究センター

横浜市立大学付属病院(金沢区)

 横浜市立大学付属病院次世代臨床研究センター(Y-NEXT、同市金沢区)が支援する医師主導治験は現在、精神・神経系疾患や消化器系疾患など6件に上り、そのうち1件は実施済みだ。また、研究計画書の作成やデータマネジメントなどを支援する臨床研究は学内23件、学外12件となっている。

 センター設立から4年。臨床研究の成果に基づく治験は病院での応用へ向けた「出口」であり、臨床研究の効率化、加速化、質の向上といった点で着実に実績を上げている。

 昨年3月には、厚生労働相の認定を受けた臨床研究審査委員会を設置した。同審査委は医師、弁護士、患者代表ら9人の委員で構成し、特定臨床研究の計画について科学的妥当性や患者への倫理的配慮を検証。県内の大学病院で認定されたのは横浜市大と北里大学病院(相模原市南区)の2病院。

 市大付属病院が目指している臨床研究中核病院(全国で12機関)の承認に不可欠な臨床研究に対する手厚いサポートや倫理審査体制が整備され、市大独自の臨床研究の促進はもとより、県内病院との多施設共同研究のハブ(中核)としても期待されている。

 同センターが主導する「横浜臨床研究ネットワーク」事業には県内15医療機関(約7800病床)が参画し、連携して臨床研究や治験に取り組んでいる。多施設共同による臨床研究の大規模化は世界的な潮流になっており、同センターは「スケールメリットを生かした臨床研究の効率化、迅速化によって、研究成果を臨床現場に早期還元できるよう努めたい」としている。

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