神奈川県平塚市議の渡部亮氏がスノーボード大会に出場するとして市議会本会議の「欠席届」を議長宛てに提出していることが26日、分かった。県スキー連盟の派遣選手との位置付けだが、同連盟は神奈川新聞社の取材に「派遣の取りやめを決めた。出場するか否かを最終判断するのは本人」と説明。市議会は近く対応を協議する。渡部氏を巡っては、市民の個人情報を持ち出したとして市が刑事告発しており、3月定例会で関連議案の審議が予定されている。
渡部氏が出場意向を示しているのは、27日から3月1日まで新潟県で開催予定の全日本スノーボード技術選手権兼デモンストレーター選考会。渡部氏は今月17日、連盟が専務理事名で作成した「(渡部氏の派遣について)審議していただきたい」との趣旨の書面を欠席届とともに提出した。関係者によると渡部氏が「大会に出場したいので代表選手として派遣してほしい」と連盟に要請したという。
しかし、大会開催時期は本会議日程と重なっており、議会関係者は連盟に「市議会を欠席してまで出場しなければいけない大会なのか」と抗議。連盟は19日、渡部氏の派遣取りやめを決めた。連盟は取材に「選手が所属する企業などに派遣要請の書面を送るのと同様に、安易に考えて市議会の日程を確認してなかった」と説明した。
渡部氏は「元舌がん患者のスノーボード選手」として話題になり、昨年4月の市議選で初当選。一方、市職員時代に個人情報を持ち出し、自らの選挙活動に利用したとの疑いが発覚。市は個人情報保護条例違反で告発、損害賠償も求め提訴する方針で、3月定例会で関連議案が審議される。