九州商船、補助金問題で新上五島町長提訴 1億7000万円返還要求

 五島産業汽船(新上五島町)が運航する高速船の定期検査費1億7千万円を同町側が全額補助するのは違法として、九州商船(長崎市)の関連会社は25日、江上悦生町長に対し、検査費を町に全額返還するよう求める訴訟を長崎地裁に起こした。
 五島産業汽船は新上五島町から町所有の高速船「びっぐあーす」を借り受けて運航している。九州商船は長崎-上五島航路で五島産業汽船と競合。訴状では、五島産業汽船にだけ補助金を交付するのは「憲法の要請する平等の原則に反し、公益性を欠く」と指摘。予算執行の権限を持つ江上町長に対し「補助金相当額の損害を町に与える。町に対する賠償責任がある」としている。
 江上町長は「訴状を見ていないのでコメントは控える」と話した。
 補助金を巡っては、五島産業汽船が5年に1回の定期検査費を捻出できる見込みがないため、昨年12月の町議会で全額補助する補正予算案を可決した。九商側は先月、町監査委員に住民監査を請求したが、却下された。

 


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