エステバン・オコンとダニエル・リカルドは、ルノーF1チームでペアを組んでの最初のシーズンに臨むにあたって、足を引っ張り合ってチームに悪影響を与えるようなことは避けようと決心している。
オコンは2019年にはF1シートを見つけることができず、メルセデスチームのリザーブドライバーを務めたが、2020年、ルノーと契約し、F1に復帰する。2017年から2018年にフォース・インディア/レーシングポイントで走ったオコンは、F1でも最も有望な才能の持ち主のひとりと評価されていた。オコンは2018年の終わりに断たれた野望を今年果たそうとしている。
しかしオコンは、チーム内部のライバル関係がエスカレートした場合、それがどれほどチームの成績に悪い影響を与えるのかをよく理解している。フォース・インディア/レーシングポイント時代、オコンとセルジオ・ペレスの間には何度か問題が発生した。
「フォース・インディアで起きたことを繰り返したくはない」とオコンは語った。
「良い雰囲気ではなかった。僕とチェコ(ペレス)は互いに尊敬しあっていて、チームの勢いを衰えさせることはなかったが、それでも僕たちの間の雰囲気は良くなかった」
「コース上で頻繁に接近しすぎていたのは明らかで、良いことではなかった。それを繰り返したくはない」
これまでのところ、リカルドとオコンはまず互いを知り合うにあたって良いスタートを切ったようだ。
「僕とダニエルの間の雰囲気は、僕とチェコとのものよりもはるかにいい」とオコンは付け加えた。
「コース上ではまた違うかもしれないけれど、こういう形で仕事をしていくことができれば、ポジティブなエネルギーと良い仕事環境を得ることができる。それはチームの全員にとっていいことだ」
「素晴らしい関係になり、チームを前へプッシュできるようになるといいね。悪い状況になってほしくない」
「もちろんスタートやその他のタイミングで何かが起きる可能性は常にある。でも(過去の)あるレースで起きたことは受け入れがたいことだった」
7度のグランプリ優勝経験を持つリカルドは、F1での10回目のシーズンに臨むことになる。リカルドは、新チームメイトとは白紙の状態から、心をオープンにして関係を始めると述べている。
「新たなアプローチで関係を始めるわけだが、1日目からルールを設けるようなことはしたくない。なぜならそのこと自体が緊張を生み出すと思うからね」とリカルドは語った。
「彼とペレスの関係には、火花が散るようなことが明らかに数度あった。それは僕がレッドブルに入る前、マーク(・ウエーバー)と(セバスチャン・)ベッテルが何度かやり合っていた状況に少し似ている。多くの人々が、僕がベッテルに攻撃されるんじゃないかと思っていた」
「でも僕の見方は、『マークとベッテルには彼ら独自の関係がある』というものだった。それは僕が持つ関係性ではないから、異なる関係を彼と築く必要がある、とね。それはペレスとオコンについてもそうだし、僕とオコンについてもそうだ」
「彼(オコン)は過去に問題を抱えたことがある。(ブラジルGPで)マックス(・フェルスタッペン)とやり合ったことこともあるし。でも僕は、彼との間に新たな関係を築いていく。いかなる先入観も遠慮もない」
「競争への準備はできているが、厄介ごとへの準備はできていない。もしコース上で争いごとが起きたら、そのときは対処する。でも僕はオープンでポジティブな心構えでいくつもりだ。『こいつはいつ攻撃してくるんだ?』なんていう考えは持たずにね。僕はそんなふうには考えない」
「ポジティブなものを作り上げたいと思っているんだ。日曜日のレースでは、もしかしたら、どこかの時点でホイールをぶつけ合うこともあるかもしれない。でも僕たちの最大の目的は、このチームを上位に持っていくことにある。チームが僕たちを管理するのに集中して、エネルギーを失い始めないようにね。チームは優れたレースカーを作る必要もあるんだから」