ブラック企業の見分け方3つ。就職活動中に使えるポイントは?

ブラック企業に就職しないためには、企業を見極める方法を知っておく必要があります。生活のために急いで仕事を探している場合、なかなか内定が取れなくて焦ってきた場合。余裕がないときについ魅力的に見えてしまいがちなブラック企業を、どう見分ければいいのでしょうか。求職時に使える3つのポイントを紹介します。

ブラック企業の見分け方①給与

従業員は賃金などの対価を得て働くもの。企業の方針は給与に密接に結びついてきます。ブラック企業の場合、安すぎる給料しか出さないか、高すぎる給料で長時間働かせるかといった特徴がしばしば見られます。

安すぎる?時給換算してみよう

SNSでは「手取り13万円」などと給与の低さを話題にする投稿もしばしば見られます。給与があまりにも少ないと感じた場合、労働時間で割り算をしてみることをおすすめします。つまり時給換算してみるのです。

「時給はアルバイトの人しか関係ないのでは?」と不思議に思う人もいるかもしれません。しかし、たとえ月給・年俸制であっても、労働時間当たりの給与が最低賃金を下回るのは法律に抵触することです。

厚生労働省も時給換算の仕方についてウェブページを公開しています。「この求人給与が少ないな……」そう思ったらまずは計算してみましょう。

参考

最低賃金額以上かどうかを確認する方法|厚生労働省

高すぎる?それは上限値かも

「月収100万も見込めます」といったうたい文句を見たことはないでしょうか。「きっと大変だろうけど、高収入は魅力だな……」と考えてしまう人もいるでしょう。しかし、このような表記にも注意が必要です。

こういった場合によくあるのは、基本給が少なく、歩合制や目標達成度によって報奨金が追加されるというパターンです。ノルマがきついことも多く、頑張っても求人に書かれていた月収に到達しないことも少なくありません。「高額な報酬で求職者を釣るところは要求されることも多い」と覚えておいてください。

ブラック企業の見分け方②労働時間

続いては労働時間です。1日8時間、それ以上は残業時間、と考えてしまいがちですが、さまざまな抜け穴を利用している企業もあります。

裁量労働制・みなし残業制に注意

求人票を見て、「裁量労働制」や「みなし残業制」と書かれている場合は給与額に着目してください。これらの制度を簡単に説明すると「事前にある程度まで残業があることを双方が了解した上で雇用契約する」ということです。

そのため、給与にはある程度の残業代が事前に組み込まれているのが本来です。同様の職種で1日8時間勤務の会社と比べてみましょう。給与が多ければ、多い分の残業代が見込まれていることが分かります。

給与が他社とほとんど変わらない、もしくは少ないといった場合は、より少ない給与でたくさん働かせたがる会社である可能性が高いです。注意してください。

残業時間はどのくらいある?

勤務時間欄に「10:00〜19:00(休憩1時間。残業あり)」などと書いてあることがあります。この場合、定時で帰れる日の方が少ない会社である可能性があります。応募時や面接時に、月の残業時間がどのくらいになるのか確認しておきましょう。あいまいな回答しかもらえない場合は非常に残業時間が長かったり、サービス残業をさせる会社である可能性があります。

また、給与欄に「(残業代込み)」などと書いてある場合も注意してください。残業代を除いた額面の給与がいくらになるのか確認しておきましょう。

ブラック企業の見分け方③面接時の印象

3つ目は応募した後、面接に進んだときの見分け方です。「ブラック企業って圧迫面接なのでは?」というイメージを持っていると気づかないことがあるかもしれません。

すんなりと面接が進んでしまう

ブラック企業は労働条件が悪く、離職者が多い傾向にあります。つまり常に人手不足なので、たくさん人を雇用して、そのうちの数人だけ残ればいいといった採用方針になっている場合があります。

そのため、面接の印象が良く、どんどん面接が進んでしまう場合があります。一度の面接で、その場で採用になるという会社もあるでしょう。このようなときはいったん返事を保留して、帰宅してからよく考えてみることをおすすめします。

給与や労働時間について聞くと嫌な顔をする

前述したように、ブラック企業は給与や労働時間について正確な情報を出したがらない傾向があります。そのため面接で質問しても答えてもらえなかったり、逆に「そんなことを聞くのは失礼だ」と怒られたりする場合があります。

このような企業は高確率で労働関係法規を重ねて違反している可能性があります。入社してみたら求人情報と違う待遇になっていた、などと後悔をしないためにも慎重になりましょう。

叱責されると「自分がいけなかったのかもしれない」と萎縮してしまう人もいるでしょう。しかしブラック企業アナリストの新田龍氏はこう説いています。

そんな忖度はハッキリ言ってクソですね。面接官が嫌な顔をしたり、きちんと答えられなかったりする会社であれば、何かウラがあるはず。入社するべきではないでしょう。

(引用元:専門家が語る「ブラック企業の見分け方」。求人情報で見るべき4つの特徴とは?|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。 )

ぜひ自分に自信を持ち、「選ばれるのではなくこちらで選ぶのだ」という気概を持って面接に臨んでください。

採用人数が多い

前述したようにブラック企業は離職者が多い傾向にあります。そのため「事業拡大のため大量採用」などといったうたい文句で求人を行いがちです。このような文句を見かけたら、「もしかしたら大量に採用して大量に辞めていくパターンかもしれない」と警戒しておきましょう。

見分ける自信がない!そんなときは?

いろいろポイントを紹介してきましたが、真剣に仕事を探していると焦りもあり、なかなか客観的に見分けられないこともあるでしょう。そのようなときは第三者の意見を聞くのがおすすめです。

口コミサイトを見る

転職系のウェブサイトは口コミ情報が豊富です。会員登録や課金が必要な場合もありますが、現職者・離職者双方の口コミが読めるので、さまざまな視点からその会社の情報を知ることができます。

参考

企業の評判・口コミを見る |【転職会議】

同業者などに話を聞く

同じ業界の噂は耳につきやすいものです。「この会社は大丈夫かな?」と心配になったら同業他社に勤める人に話を聞いてみましょう。表に出てこない情報が得られるかもしれません。

ただし、同業者であれば利害関係がある場合もあります。聞いたことすべてを信じるのはやめておきましょう。話を聞いておけば、面接時などに「○○さんはこう言っていたけど、実際はどんな雰囲気だろう」という心づもりで臨めます。あくまでも参考程度に捉えておきましょう。

まとめ

ブラック企業は人手不足であることが多いもの。そのため求職者には良い情報ばかりを出し、実態を見せないという傾向があります。求職時にそれを見分けるのはなかなか大変ですが、後で後悔したり、体を壊すことは避けたいものです。慎重に企業を選ぶ心構えを忘れずにいてください。

参考

専門家が語る「ブラック企業の見分け方」。求人情報で見るべき4つの特徴とは?|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。

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