横浜・シーサイドライン逆走は「車内の電線断線が原因」 運輸安全委が報告、メーカーの配線も不適切

逆走して車止めに衝突した車両=2019年6月、横浜市金沢区

 昨年6月に起きた横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」の逆走事故で、運輸安全委員会は27日、経過報告書を公表した。進行方向をモーター制御装置に伝える車両内部の電線が断線したことが逆走の原因の一つと指摘。車両メーカーが製造時に電線を適切に配線していなかったことも新たに判明した。

 報告書で、委員会は断線の原因について、電線の束と車両の金属製部材が接触しており、走行中の振動などによって絶縁体が徐々に摩耗した、と指摘。束の保護材も不十分で、メーカーは作業後、配線の検査をしていなかった。

 再発防止策として、電線と車両の部材に十分な間隔を空けて配線し、作業員に注意喚起するよう、メーカーに求めた。委員会は今後、車両の設計過程などをさらに調査し、最終報告書を取りまとめる方針。

 事故は昨年6月1日に起きた。始発の新杉田駅(同市磯子区)を午後8時15分に出発した並木中央行き下り列車(5両編成)が逆走し、時速約25キロで車止めに衝突。乗客25人のうち、17人が負傷した。

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