抗がん剤による治療の副作用などで脱毛に悩む人たちのために、西海市西彼町喰場郷の市立西彼中(酒井一男校長、190人)の2年生64人が、家庭科の被服実習で手縫いのタオル帽子を製作した。生徒は針に思いを込め、精魂込めて帽子を作りあげた。
タオル帽子はニットやビニール製の帽子に比べ、汗を吸い、通気性や肌触りもよく、小まめに洗濯できる。西海市内では2017年から「長崎タオル帽子の会」が活動。家庭で使用していないタオルを譲り受けて帽子に仕立て、これまでに約1700個を医療機関やがん患者に贈っている。
西彼中の生徒は昨年度の消費者教育で循環型社会について学び、同会の活動を知った。19日の実習では同会のメンバー5人を講師に招いた。同会代表の山崎和枝さん(65)は、がんで亡くなった友人への思いから活動を始めたと紹介。「(毛髪について)悩む患者さんは想像以上に多い。患者さんが前向きでいられるよう作り続け、県内に広めたい」と生徒に語りかけた。
生徒は講師の手ほどきで手縫いに挑戦。高垣侑生さん(14)は「かぶり心地がよくなるよう丁寧に、と教わった。患者さんが笑顔になればうれしい」と話した。3学期中に仕上げ、同会を通じて医療機関に贈る。
同会はタオルの寄贈も受け付けている。問い合わせは山崎さん(リフォーム山崎内、電0959.28.1202)。
帽子で患者さん笑顔に 西彼中2年生 家庭のタオル手縫い 贈呈へ
- Published
- 2020/02/28 10:45 (JST)
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