宮崎県聖火ランナー85人集結 「みんなに勇気を与えたい」東京五輪へ誓い

 4月26、27日に本県を巡る東京五輪聖火リレーのランナーを初めて披露するイベント(県実行委主催)は25日、宮崎市の平和台公園であった。がんと闘っている男性、障害のある小学生、スポーツや地域のボランティアで活躍する人など10代から80代までのランナー85人が集結。「感謝の気持ちを伝えたい」「みんなに勇気を与えたい」-。人生の苦難や葛藤を抱えながら、歴史的な大舞台にさまざまな願いを込めて臨む。

 出席したのは県実行委の公募、推薦で選ばれた36人、大会スポンサー枠などの49人。10、20代が4割の34人を占めた。市町村別では宮崎市26人、都城市8人、延岡市5人、小林、日南市各4人、日向市3人など。本県にゆかりのある県外在住者も6人いた。

 イベントでは県実行委会長の河野知事が「皆さんは選ばれし者。一歩一歩に込める思い、県民みんなの思いを伝えてほしい」とあいさつ。県内12市町に設定された13ルート180区間(35キロ)の本県コースが紹介された後、出席者全員の氏名が読み上げられると、ランナーは誇らしげな表情で一礼した。

 そのうちの一人、日南市の池上誠さん(51)は2018年に舌がんの「ステージ4」を宣告され、舌と声を失った。今も抗がん剤治療を続ける池上さん。「ランナーに選ばれ、生きた証しを残せるかな。目標ができた喜びがある」と筆談で答え、「走ることを通し、どんな状況でも生き方次第で幸せだということを同じがん患者に伝えたい」と笑顔を見せた。

 「私が頑張って車いすで走る姿を見て、病気の人や元気のない人に勇気を与えることができたらうれしい」と語るのは、両足が不自由な宮崎市・檍小6年の河野真子さん(12)。「いつもお世話になっている先生や応援してくれる人たちに感謝の気持ちを伝えたい」

 同日は出席者に加え、欠席したランナー35人の名簿も発表された。

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