ブラック企業の特徴は朝礼って本当?朝礼が与える影響とは

「ブラック企業は朝礼があるのが特徴的」と思っている方も多いといいます。会社で働いている方の中に毎朝朝礼があるというケースもあるでしょうが、果たしてブラック企業の朝礼はどのようなものなのでしょうか。今回はブラック企業の定義と朝礼の特徴、本来あるべき朝礼の意味について紹介します。

ブラック企業の朝礼について

ブラック企業の朝礼は独特というイメージを持っている方が多いといいます。まずは、ブラック企業とはどんな企業のことを指すのか、ブラック企業の朝礼にはどんな特徴があるのかについて詳しく紹介します。

ブラック企業とは?

ブラック企業の定義は明確には決められていないものの、労働基準が過酷でパワーハラスメントや違法労働、サービス残業など、労働条件が劣悪な企業のことを指しているといわれています。公益財団法人連合総合生活開発研究所が2019年10月に「第38回勤労者短観調査(勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート)」を実施したところ、4人に1人が「働いている会社がブラック企業だ」と認識していると結果が出ました。

同調査では過去1年間で勤めている会社が何らかの違法行為をしたと認識している人の割合は全体の26.9%、残業代の未払いがあると答えたのが15.1%、有給取得が認められなかった人が13.4%に上るという実態が明らかになりました。私たちの社会では、ブラック企業の存在は身近になりつつあるといえるでしょう。

参考

報道資料 4 人に 1 人が勤め先を「ブラック企業」と認識、このうち 2 割強が「すぐにでも転職したい」,p23|公益財団法人 連合総合生活開発研究所

ブラック企業の朝礼とは?

ブラック企業の特徴の一つに「朝礼」があるといいます。具体的にはブラック企業ではどのような朝礼をするのでしょうか。

朝礼では1日の目標や予定などを社員同士で共有するものですが、ブラック企業の場合は朝礼の進め方や共有内容、伝え方などに問題があるといいます。例えば、前日のミスの謝罪からスタートしたり、成績が悪ければ他の社員が見ている前で罵倒されたりと、精神的負担が大きいという特徴があります。また、会社全体で一体感を出すために社訓を大声で言わされたり、中には同じ言葉を何度も繰り返し言わされる強制的な演出もあるようです。本当に必要なことなのか、思わず疑ってしまうような内容の朝礼は、ブラック企業の朝礼の特徴の一つだといいます。

朝礼が嫌で退職を考える人も?

朝礼が嫌で、退職を考える人も少なくないといいます。中には人前で話すことが苦手で、精神的に苦痛を感じる方もいるといいます。

朝礼が嫌だから転職を考えています・・・

朝礼がなければ仕事が続けれるのに・・・

月曜の朝礼の発表が辛くて仕事をやめたい・・・

など色んな朝礼の悩みで来院される患者様がいます。

たった2分程度の朝礼のスピーチでも、前日や2日前から気持ちが落ち込まれています。

(引用元:朝礼が嫌で転職を考えいる | こころのケア)

ブラック企業の朝礼では、大きな声を出したり、他の社員の前でミスについて謝罪させられるなど、精神的苦痛を与えるような傾向があるようです。上記の例のようにもともと朝礼が苦手という方にとっては、耐えがたいことでしょう。また、もともとあがり症、もしくは人前で話すことが苦手でない方も、たび重なる朝礼により、精神的苦痛を訴えるようになるそうです。

なぜ朝礼=ブラック企業なのか

そもそも、なぜ「朝礼=ブラック企業」というイメージを持つのでしょうか。ブラック企業の朝礼は内容そのものに問題があるケースも少なくないようです。

スピーチがモラハラになっている?

ブラック企業の朝礼では、前述した通り、ミスなどの謝罪や上司から一方的に罵倒するような機会として位置づけられているといいます。当然ながら、毎朝朝礼でこのような場面に遭遇すると、たとえ自分に対してではなく同僚に対する罵倒であっても、精神的な苦痛は蓄積されていくことになります。上司からの一言がモラルハラスメント、言葉や態度による暴力となってしまうこともあるでしょう。そのため、ブラック企業=朝礼というイメージもより強くなることが考えられます。

朝礼自体が時間の無駄になっている?

朝礼では、司会やスピーチなどを交代で行う形式が多くあります。人前で話すことの練習や、社員同士の絆を深めるという意味では大切な時間となりますが、中には朝礼の議題自体が時間の無駄になっていることも。必要な伝達事項がある場合は、朝礼ではなくメールや書類などでも確認することができます。重要度が高く、全員に伝達事項がある場合は朝礼で伝えることも一つの方法ですが、ブラック企業の場合は朝礼を行う意味があいまいなことも多く、「時間の無駄」と感じる方も多いようです。

朝礼をやることで会社の業績に貢献し、仕事の効率が上がっている場合は別ですが、一度確認しているはずの内容をもう一度話したり、ただ社員を叱るためだけの時間として朝礼を行っている場合は、朝礼の目的は果たせていないといえるでしょう。

朝礼をやる会社は無駄が多い?

ブラック企業=朝礼といわれる最も大きな理由は、朝礼の意味が成立しておらず、さらに無駄が多いという点が挙げられます。昔から行っているからという理由で朝礼を続けている企業は、朝礼と同様に時間ばかりが長い会議や長時間労働など、無駄が多くなってしまいます。ブラック企業の特徴の1つに、長時間労働やサービス残業などがありますが、効率良く時間を使うことができればこのような問題は生まれないでしょう。

昔からの習慣で朝礼を行っている会社は体制がなかなか変化せず、社員に対して柔軟に対応する能力が薄れている可能性があります。ブラック企業の朝礼は無駄な時間を費やすだけでなく、さらに精神的苦痛を与えるケースが多いといいます。朝礼が苦痛だと感じている方の中には、朝礼以外にも不満を抱えているケースが多いかもしれません。

本来の朝礼の目的とは?

そもそも、本来朝礼にはどのような目的があるのでしょうか。朝礼の意味を理解することで、自分が働いている会社がブラック企業の可能性があるかどうか、判断材料の1つにすることができます。

朝礼の主な目的とは、会社の経営目的や目標を確認し、個人が自発的に目標について発言することです。社内のコミュニケーションを円滑にし、1日が気持ちよく始まり、仕事を円滑に進めるのが朝礼の果たす役割です。朝礼がしっかりと機能することで社内全体の状態を把握し、生産性を高めることができます。一方的に誰かが話をして終わるだけでは、朝礼のの目的は達成されません。

ブラック企業の朝礼は要注意

ブラック企業の朝礼では、ミスについて謝罪したり一方的に上司から責められたりと、精神的な苦痛を与えるケースが多いようです。中には重要な項目について言及できず、時間だけを無駄にしてしまうこともあるそうです。朝礼が社員にとって悪影響を与えている場合は、ブラック企業である可能性もあります。もしブラック企業の朝礼に参加していると感じている方は、早めに相談できる人に話をし、対処する必要があるでしょう。

参考

朝礼の目的と進め方|静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱

もはや朝礼は「ブラック企業」の象徴なのか|日経ビジネス電子版

無駄が多い朝礼の典型的な例。長い朝礼を行う会社は将来性がない理由 | 転職・仕事のお役立ち情報

働き方改革の弱点を「朝礼」が補う そのメリットは? 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

ブラック企業の朝礼が悲惨すぎる 「息苦しくて倒れる人がいる」「夢は叶う!と絶叫」 | キャリコネニュース

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