「竜宮造り」小田急・片瀬江ノ島駅新駅舎、一部供用を開始

外観がおおむね完成した小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅=藤沢市

 小田急線片瀬江ノ島駅(神奈川県藤沢市片瀬海岸)の新駅舎の外観工事がおおむね完了し、28日に改札など一部施設の供用が開始された。本格的な社寺建築「竜宮造り」の技法で改良工事が進められており、改札口に近いコンコースの天井には全長約15メートルに及ぶ木彫り竜が掲げられている。

 国内有数の観光地、江の島への玄関口である同駅を刷新する改良工事は2018年2月に着工。しっくい風の白いアーチの上に、木製の軒、入り母屋の屋根を組み上げた様式で、竜宮城をイメージした朱塗りに緑色の屋根という旧駅舎の印象を継承している。

 竜宮造りの特徴である建物の上部には、五頭龍(ごずりゅう)と天女の伝説にちなみ、窓ガラスに天女を描き、5カ所に竜をあしらっている。

 全体の完成は、江の島でセーリング競技が開かれる東京五輪前の5月を予定。新しい改札は8通路(北側4通路、南側4通路)になる。

 同駅は同線の営業開始に合わせて1929年4月に開業。国土交通省の「関東の駅百選」に入るなど、長年にわたり地元住民や観光客に親しまれてきた。

© 株式会社神奈川新聞社