電力やインターネット接続サービス「AKUBI」の運営会社が破産

 (株)リンク(TSR企業コード:352719834、福岡市博多区冷泉町5-35、設立平成24年4月、資本金2億3005万円、土佐谷昭社長)は12月9日までに、事後処理を中山栄治弁護士(不二法律事務所、同市中央区薬院1-16-20、電話092-712-2305)に一任した。破産の方向で検討しているとされる。
 負債総額は社債を中心に約9億円が見込まれる。

 あくびコミュニケーションズは、電気供給の「AKUBIでんき」、インターネット接続サービスの「AKUBI光」や「AKUBI NET」、携帯端末向けのMVNOサービス「AKUBI Mobile」を展開。設立当初は介護事業を主体としていたが、通信事業を強化。2017年には電力小売事業に本格進出し、2018年2月期は売上高28憶7908万円をあげていた。
 しかし、「電気料金の総額が毎月5%安くなる」などと告げながら、実際は一部しか安くならなかったため、2019年4月、特定商取引法違反で消費者庁が一部業務停止命令を出した。また、2019年12月から数カ月分の料金の前払いを条件とする「まとめ割」を、利用者に情報提供をせずに1336件の顧客に適用し、7752万円を過大に徴収していた。このため2020年2月28日、総務省は電気通信事業法に基づき当社に対して業務改善命令を出していた。
 カステラも通信サービスなどを手掛けていたが、あくびコミュニケーションズに連鎖した。
 なお、破産管財人によると、「早ければ3月末頃には、電気の供給・インターネット接続サービス・通信サービスの提供が停止することが見込まれる」という。

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