新型コロナウイルスの感染拡大を受け国は全国の小中高校に臨時休校を要請しました。長野県内の学校現場は対応に追われたほか、保護者などからは困惑する声もあがっています。
安倍首相:
「子どもたちの健康安全を第一に考え、臨時休校を要請します」
きのう27日、安倍首相が突然、表明した臨時休校の要請。対象は全国すべての小・中・高校・特別支援学校で期間は週明けの来月2日から春休みまでです。
県内の保護者や児童・生徒も困惑…。
中学1年の母:
「決定だとしたらびっくり。(休みに向けて)何の準備もしないまま、いきなり始まってしまう感じで心配」
中学1年:
「すごく急だし、授業も終わっていないので不安です」
小学3年の父:
「対策しなければいけない。(共働きなので)ちょっと困ってしまう。昼間、子どもをどうするか、休みを取ったりしなければ…」
小学3年:
「コロナウイルスになりたくない」
県教委も表明を受け困惑…。
一夜明け、長野市の裾花小学校では児童が通常通り登校しました。朝の段階では正式な通知はなく学校も戸惑いを見せていました。松本市では保護者から不安の声が相次ぎました。
中2と小4の母:
「(自宅に)子ども2人でいてもらう形になる。ちょっと不安ですね。大丈夫かな」
小2の父:
「娘が今度、転校するので、いきなりきょうが登校の最後になる。友達にお別れできるのかな」
高校生は…。
岩村田高校2年:
「成績とかテストとかどうなるか心配」
「これから班活もシーズンに入るので、練習ができなかったり、心配」
(記者リポート)
「国の突然の要請を受け、長野市教委は対応に追われています」
けさも県教委や各市町村教委は対応に追われました。突然の要請に戸惑いながらも松本市は昼までに来月2日からの臨時休校を決めました。期間中は部活動も行わない方針です。
松本市教委・高野毅学校指導課長:
「まだ学習内容が残っている場合もある。その補償はどうするのか。春休み中の課題の出し方も含めて、次年度にどうつなげるか。すぐ休める保護者ばかりではないので、小さい子どもを家に置いておかないといけない家庭も出てくるので心配」
一方、長野市は子どもたちや職員の準備期間が必要とし2日は登校日にして3日からの休校としました。
長野市教委学校教育課・上石秀明課長:
「驚きと戸惑いが正直。(きょうまでだと)子どもたちの休業中の生活の仕方とか、学習用のプリントの作成など、そういったものがなかなか間に合わない」
それぞれの教育委員会が要請に基づいて急遽決めた休校期間。全国の自治体から反発にも近い声が上がる中萩生田文部科学相はきょう午後になって会見を開き「地方の判断を尊重したい」と話しました。
萩生田文科相:
「地方の判断を尊重したい。(地域ごとに)適切な期間を設定していただきたい」
知事は…。
阿部知事:
「今回の発表は突然の方針発表ということで、学校現場や家庭で課題が生じてくる。そうしたことに対して、政府として万全の政策を図ってもらいたい」」
県も県立学校について来月2日か3日からの休校を決めました。
一方、県は小学校低学年や特別支援学校の児童生徒で保護者が仕事を休めず自宅で1人で過ごすこともできない場合は学校を活用することも含めて配慮してほしいと市町村教委に呼びかけています。
一方、学校現場では…。
教諭:
「新型肺炎について、市教委から来たプリントを印刷している」
来月3日から休校となる長野市の広徳中学校。職員がきょう中に配布しなければならない生徒574人分の臨時休校の資料と健康チェック表の印刷に追われていました。
今、一番心配なのが…。
広徳中・中沢毅一校長:
「(高校)入試の指導をできるか。教科会で集まってもらってプリントを作った。少しでも家で勉強する環境が整えば。学校も来られない、自宅からも出られないなかで過ごすので心配でならない。本当に4月を迎えられるのかという思いもある」
広徳中では3年生を送る会や終業式も取りやめます。18日の卒業式は行う予定ですが来賓は参加しないということです。突然の休校に県内も戸惑いが広がっています。