ボッシュ、IoTソリューションを推進する新会社「Bosch.IO」を設立

ボッシュは、IoTソリューションを中核とした新子会社Bosch.IO GmbHを設立した。同社は、旧Bosch Software Innovations GmbHと、ボッシュの他のIoTやデジタル専門家チームが結びついて誕生しており、IoTソリューションの推進、コンサルティングから実装、運営までのすべてをカバーする。同社は、IoTおよびデジタル分野のエキスパート900名超を雇用した。従業員は、小売、エネルギー、ビルディングテクノロジー、農業、製造、消費財、モビリティなど、豊富な業界経験を有する、ハードウェアとソフトウェアの開発者、クラウドの専門家、ソリューションアーキテクト、プロジェクトマネージャー、ユーザーエクスペリエンスデザイナー、ビジネスモデルイノベーター、トレーナーなどである。ボッシュCDO兼CTOのミヒャエル・ボレ氏は、「Bosch.IOは、道路や工場のフロアから自宅や現場に至るまで、すべてにおいてモノのインターネット化を進めます」と語った。Bosch.IOの根幹をなすのは、IoTソリューションの中心となるテクノロジープラットフォーム「Bosch IoT Suite」だ。すでに1,000万を超えるセンサー、デバイス、機械を、ユーザーおよびビジネスアプリケーションに接続した実績を有しており、IoTソリューションにおけるボッシュの中心的なソフトウェアプラットフォームとなっている。業界別の高度に専門化されたソリューション以外にも、Bosch IoT Suiteの特定のサービスは様々なアプリケーションに使用することが可能だ。複雑で膨大な労働力を要する基本タスクは一度の実施で済み、開発および運用効率を向上する。例えば、デバイスのネットワーク化や管理のためのサービス、ならびにソフトウェアとファームウェアのOTAアップデートなどにより、車両群やセキュリティカメラから機械類まで、すべてを常に最新の状態に保つことができる。また、Bosch.IOのプロジェクトでは、ボッシュの3万人近いソフトウェア開発者およびAIエキスパートと協働する。これにより、AIテクノロジーが将来のIoTやデジタルプロジェクトで果たす役割がより顕著になることが予想される。一例が、ビッグデータから機械学習用規則を導出するためにデータマイニング手法を使用することだ。そこから得られた知識により、さまざまなメーカーの家電製品を安全かつ便利に制御することができる。画像比較ツールにもAIは役立つ。Bosch.IOでは、画像比較ツールを偽造防止ソリューションであるSecure Product Fingerprintの一部に使用している。同ツールは、製品の表面を識別するため、消費者や法人顧客が模造品から効果的に身を守る手段となる。AIアシスト手法では、二輪車が事故に巻き込まれたことを確実に検出し、緊急通報システムを自動的に作動させることも可能だ。なお、同社は、本社をベルリンに構え、ドイツ、ブルガリア、中国、日本、シンガポール、スペイン、米国にも拠点を展開するとした。

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