部活動ほとんど中止 県内一斉休校

学校再開まで、最後の部活動となった宮崎日大高美術部=28日午後、宮崎市島之内

 臨時休校となった中学、高校では、部活動もほとんどが中止に。大舞台を目前に控えた顧問や生徒は不安を抱えながらも、各自で準備を進める必要に迫られることになった。
 春の全国大会を控える運動部活動の関係者は動揺を隠せない。宮崎市・宮崎商業高女子テニス部の菊池誠監督は「情報に惑わされず大会に向け準備するよう伝えた」とした上で、「今後、どう調整に取り組めばいいのか」と胸中は複雑だ。
 日南市・吾田中軟式野球部の春田一樹監督は「これだけ長期間部活ができないとは」と話す。3月21日開幕予定の大会へ「1人でもできるメニューを渡した。自宅でトレーニングしてほしい」と選手に託した。
 寮生を抱える私立高校にも波紋が広がる。同市・日南学園高は交通機関などでの感染リスクを考慮し帰省させない方針。一方、宮崎市・日章学園高は2日から2週間は原則、寮の閉鎖で判断が分かれた。
 文化系部活動を束ねる県高校文化連盟は、今後2週間に計画していた、複数の部活動が集まる三つのイベントの中止、延期を決めた。県内18校が集い、8日に同市で開催予定だった「県高校演劇春の発表会」も中止に。同市・宮崎東高通信制演劇部の野村由美顧問は「ある程度覚悟していた」と冷静に受け止める。3月21日に新潟市で全国大会があるが、開催は判断待ち。長田淳之介部長(19)は「全国舞台に向け情熱を注いできた。中止なら気持ちの整理がつかない」と気をもむ。
 宮崎市・宮崎日大高も1~15日に休校で、全部活動を中止。美術部は1、2年生68人が全国公募展の作品制作に取り組んでいたが、自宅に持ち帰って描くことに。指導する河辺光洋教諭は「締め切りまで時間がない上、直接教えることが難しくなった」と話している。

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