「9.8%の狭き門」簿記検定1級、17歳女子高生が合格「将来は公認会計士に」

難関の日商簿記検定1級に合格した後藤さん(滋賀県彦根市芹川町・彦根翔西館高)

 彦根翔西館高(滋賀県彦根市芹川町)2年の後藤未夕さん(17)が、公認会計士や税理士など国家資格の登竜門とされる日商簿記検定の1級に合格した。経営管理や分析の技能を問う同試験は高校生の受験自体が珍しく、「勉強して本当に良かった。将来は公認会計士を目指したい」と快挙を喜んでいる。

 同検定は商業簿記・会計学など4分野の科目があり、企業会計に必要な財務諸表の作成技術や知識が問われる。企業の経理担当者や公認会計士を目指す大学生が受験するのが一般的で、合格すると税理士試験の受験資格が得られる。
 後藤さんは授業で会計ビジネスを専攻して簿記を週8時間学ぶほか、簿記部に所属して放課後も毎日勉強に励んでいる。1年の時に3級と2級に立て続けに合格したが、昨年6月に初めて受けた1級の試験は不合格。11月に再挑戦し、合格を果たした。
 合格率9.8%の狭き門で、県内でも受験者60人のうち、合格は3人のみだった。1月6日に同高で合格通知を受け取り、「自己採点では無理かもと思ったので、うれしくて先生の前で泣いてしまった」と振り返る。
 8月には、税理士試験科目の一つの簿記論を受験する。大学か専門学校に進学した後に予定する公認会計士の試験に備える狙いといい、後藤さんは「財務諸表の作成などに必要な計算がぴったり合った時が気持ちいい。さらに勉強を続けたい」と意気込む。

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