対馬市長選 「豊かな島づくりを」 現職比田勝さん、決意新た

支持者と笑顔で握手する比田勝さん(左)=1日午後10時46分、対馬市厳原町

 一騎打ちとなった対馬市長選は1日、現職の比田勝尚喜さん(65)が新人の荒巻靖彦さん(55)を制し、再選を飾った。「皆さんの力強いご支援のおかげ」-。“当確”の一報が入った厳原町のホテルで比田勝さんは、満面の笑みで支持者らと喜びを分かち合った。
 日韓関係の悪化に伴い、島内経済を支えてきた韓国人観光客数が激減してきた昨年9月、「対馬の持続的な発展には幅広い地域からの誘客が不可欠。対馬を豊かにしていきたい」として再出馬を表明。選挙戦では、旧上対馬町役場時代から40年以上務めた豊富な行政経験、知見を基に、国境離島新法を有効活用した町づくり、1次産業の振興などを訴えた。自民、公明のほか、農林水産業や建設など島内の多くの各種団体が推薦。相手候補を大差で抑え、ゴールに駆け込んだ。
 落ち込んだ観光客数は今も回復の兆しが見えず、島内経済の屋台骨は揺らぐ。若者の島外流出に歯止めはかからず、高齢者対策も待ったなしだ。「人々が暮らし続けることのできる持続可能で豊かな島づくりを目指していきたい」と古里への愛着を語る比田勝さん。「頑張ります」。決意を新たに、支持者らと力強く握手を交わした。

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