横浜市営地下鉄脱線、作業責任者を書類送検へ 神奈川県警

脱線した横浜市営地下鉄ブルーラインの車両=2019年6月(市交通局提供)

 横浜市営地下鉄ブルーラインで昨年6月、始発電車が線路上に放置された保守作業用の装置に乗り上げて脱線した事故で、県警は3日にも、業務上過失往来危険の疑いで、作業責任者を務めていた上永谷保守管理所の男性職員(52)を書類送検する方針を固めた。

 市や運輸安全委員会の報告書によると、事故は昨年6月6日午前5時25分ごろ、横浜市泉区の下飯田駅を出発した始発の湘南台発あざみ野行き上り普通電車が約130メートル走行した地点で発生。線路上に放置された「横取り装置」に乗り上げて先頭から4両が脱線し、男性運転士が軽傷を負った。乗客にけがはなかった。

 同日の営業開始前の未明、作業員3人が保守点検用車両の引き込みに使う横取り装置を線路上に取り付けて検査したが、作業終了後も撤去しなかった。装置検査の手順書はなく、作業責任者は最終確認や作業終了の連絡を怠ったという。

 この事故で、市は作業員2人や管理監督者ら職員計7人を懲戒処分にしている。

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