県内企業、保護者に配慮 営業短縮や在宅勤務 新型肺炎

営業時間短縮で通常より早くレジを締める従業員。手前には短縮を知らせるポスターが掲げられている=2日午後7時13分、宮崎市吉村町のデサキ宮崎店

 県内の小中学校や高校、特別支援学校の一斉休校が始まった2日、従業員に保護者がいる県内企業では、営業時間の短縮や時短勤務、変則的な出勤態勢などへの対応に追われた。
 児童がいる保護者らへの配慮から全社的に営業時間を短縮するのは、県内を中心に雑貨・文具店「デサキ」計7店舗を展開する「出先」(延岡市)。2~15日に午後7時半だった閉店時間を30分前倒しすることにした。同社管理本部は「スタッフのやりくりに加え、感染拡大防止の観点からも短縮を決めた。状況によっては期間延長もありえる」と述べた。
 県内にケーズデンキ3店舗を展開する「ケーズホールディングス」(茨城県)も同様の理由で営業時間を短縮。2~19日に午後8~9時だった閉店時間を同7時に早めた。
 県産素材のゼリー製造・販売「ひょっとこ堂」(高鍋町)では、製造ラインの従業員6人のうち子育て中の女性1人が2日から午前中のみの勤務となった。小学校が同日から休校で、放課後児童クラブ(学童保育)は午前中しか利用できないため。ほかの従業員にも小学生の子どもはいるが、きょうだいで留守番をするなどして自宅で過ごすという。
 田中陽一社長は「今のところ業務に支障はないが、今後の受注状況によってどうなるかは分からない」と不安を口にした。
 子育て世代の従業員が多い「キグルミビズ」(宮崎市)は、宮崎市で休校が本格化する3日以降の従業員の運用に向け、製作スケジュールの管理など準備に追われた。在宅勤務の推進や勤務時間の変更にも対応。営業日に休みを取得した従業員には通常は休業する土日の出勤を認めるなど、事情に合わせた働き方を認めるという。
 加納ひろみ社長は「できるだけ子どものそばにいてあげられるよう配慮したい」と話した。

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