クルーズ船下船完了、消毒後出港へ 乗員いたわる声も

乗客乗員が下船したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=2日、横浜港

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に残っていた乗員131人が1日、下船した。2月19日に始まった乗客乗員計3711人の下船が完了した。横浜港・大黒ふ頭(横浜市鶴見区)に停泊しながら船内の消毒作業を行った後、乗員を入れ替えて今月中旬にも出港する予定という。

 厚生労働省によると、1日に下船したのは船内管理などのために残っていたイタリア国籍のジェンナーロ・アルマ船長や航海士ら運航に携わる63人と、インドネシア国籍の乗員68人の計131人。チャーター機で帰国する人以外で、ウイルス検査で陰性だった乗員は埼玉県和光市にある税務大学校に移動した。

 クルーズ船から2月21日に下船した乗客は神奈川新聞社の取材に応じ、「(乗員は)既に何日も隔離された後で疲れ切っているだろうし、今からまた知らない環境で生活するとなるとストレスは相当なもの。心配だし大変」といたわった。

 船内での感染者は700人を超えた。これまでに日本と英国、豪州の乗客計7人が死亡し、厚労省職員や検疫官ら11人も感染した。船内の検査で約970人の乗客が陰性と判断され下船しているが、その中から感染が確認されているため、厚労省は下船後も健康観察を続けるとしている。

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