新型コロナの専門家会議は机上の空論!? 今本当に必要なこと

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月24日(月・祝)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の田中康夫さんが新型コロナウイルスに対する政府の対応について見解を述べました。

◆政府のウイルス対策は適切なのか……

新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大するなか、2月23日に安倍首相も出席した新型コロナウイルス感染症対策本部会合が開かれ、2月24日に行われる専門家会議で基本方針の策定が話し合われる方向性を確認。一方、韓国は感染の危機レベルを4段階のうち最高の「深刻」に引き上げると発表しました。

産経新聞や日本経済新聞などでは新型コロナウイルスの拡大に関し、政府による「移行期」という発表のもと記事化されていますが、それに対して安倍首相を支持する人たちからも疑問視する声があがっているそう。そして、田中さん自身も政府の対応に疑いを持っている様子。

政府は「先手先手のウイルス対策」とし、当初「基本的な対処方針」を示していましたが、2月23日になって「総合的な対処方針」としました。これに田中さんは「1ヵ月以上経って具体的な対処方針ではない。それに対して、韓国は4段階の『深刻』のレベルにしている。他の国の人からすると、中国も大変だけど日本も韓国も同じという認識になっている」と危機感を露にします。

そして、菅官房長官の会見についても言及。2月20日にはダイヤモンド・ プリンセス号に関して、「2月5日以降の感染拡大防止の措置が機能している」、「現在ではほぼ発症者の発生がない」、「隔離が有効に行われていると確認された」と述べていましたが、それらはことごとく覆ってしまいました。なぜ菅官房長官にそんな発言を促すメモが手渡されたのか、その背景にあるのは「厚労省の"医系技官”の問題」と田中さんは指摘します。

◆今必要なのは正確な情報と政治のリーダーシップ

菅官房長官に手渡されたそのメモは、「専門家会議はこういうことを言っているというもの」と田中さん。そして、この専門家会議こそが「厚労行政を牛耳る"医系技官”」と言います。

その一員であり、危機管理の筆頭審議官として当初スポークスパーソンを務めていた大坪寛子さんは、入省前は国立感染症研究所の研究員だったそう。そして、その国立感染症研究所はこの10年間で予算も人員も削減されています。田中さんはそんな彼女たちのことを「臨床医学や基礎医学から脱落した、現場の研究者や医師ではない人」と言い表し、「そういう人が厚生労働省に入って医系技官になると、どうしても机上の空論になる」と主張。そして、それこそが「大きな問題」と言明します。

また、ウイルスに関しても"無色・透明・無臭”であり、自在に変化してしまうだけに、「人間の五官が察知できない、ある意味では放射能と同じようなやっかいな存在」と述べ、「基本的に我々ができることは、"よく食べ”、"よく寝て”、"よく洗う”こと」と田中さん。しかし、そのためには「正確な情報」が必要であり、さらには狭いなかで物事を考えている医系技官ではなく、全体最適が可能な「政治のリーダーシップ」の重要性を訴えていました。

著述家の北条かやさんも、田中さんの意見に同意しつつ「厚生労働省のWebサイトを見ても今話題のエアロゾル感染についての解説があまりない。デマもまわっているので、もっとわかりやすい解説を大事にしてほしい」と望みます。

一方、MCの堀潤は、現在の状況は責任の所在が曖昧なことも含め、「原発事故直後の対応と似ている」と言い、「なかには回復して軽症で済んだ方もいる。今重要なのは感染の症状(の情報)だと思う」と指摘していました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

© TOKYO MX