ヤンキースがメッツの先発左腕・マッツの獲得に興味を示す

ニューヨーク・ポストの報道によると、先発投手陣に複数の故障者が発生しているヤンキースは、メッツの先発左腕スティーブン・マッツの獲得に興味を示し、トレードでの獲得の可能性についてメッツ側へ問い合わせを行っているようだ。しかし、レギュラーシーズン開幕まで1ヶ月を切ったこのタイミングでメッツが主力投手の放出に踏み切る可能性は低いとの見方が強く、トレード交渉は本格化しないまま立ち消えになるだろうと予想されている。

地元ニューヨーク出身のマッツは現在28歳。昨季は32試合(うち30先発)に登板して自己最多の160回1/3を投げ、自身初の2ケタ勝利となる11勝10敗、防御率4.21、153奪三振をマークした。メジャー5シーズンでは通算31勝36敗、防御率4.05を記録しており、2021年シーズン終了後にフリーエージェントとなる予定。現在は新加入のマイケル・ワカと先発5番手の座を争う立場となっている。

ヤンキースは、昨年12月にゲリット・コールと9年3億2400万ドルの超大型契約を結んだ時点で、コール、ルイス・セベリーノ、ジェームス・パクストン、田中将大、J.A.ハップが先発ローテーションを形成し、ジョーダン・モンゴメリー、有望株のクラーク・シュミット、同じく有望株のデイビー・ガルシアがデプスとして控えるというメジャー最高クラスの先発陣を誇っていた。しかし、パクストンが2月に腰の手術を受けて5月まで欠場することになり、セベリーノも先週のトミー・ジョン手術によってシーズン全休が決定。メジャー最高クラスの先発陣から一転、主力先発投手2人を欠く事態となってしまった。

昨季18勝をマークしたドミンゴ・ヘルマンもDV規定違反による出場停止処分により6月まで復帰できないため、ヤンキースはモンゴメリーを先発ローテーションに入れたとしても、開幕時点では先発5番手が空席となる。有望株を抜擢するのか、マイナー契約の選手でパクストンやヘルマンが復帰するまでの期間を凌ぐのか、あるいは外部からの補強に動くのか。マッツ獲得はその選択肢の1つとなるが、実現の可能性は低そうだ。

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