【新型コロナ】「みんなは暗い顔をしないで」 川崎でも175校臨時休校

休校中の過ごし方について指導する宇田津教諭=川崎市幸区の市立御幸小学校

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、川崎市立の全175学校は、政府方針より2日遅い4日から臨時休校となる。休校前最後の登校日の3日、市立御幸小学校(幸区)では、教員が宿題や注意事項などのプリントを児童に配布し、休み中の過ごし方を指導した。

「暗いニュースだけど、みんなが暗い顔になる必要はないよ。4年生になって頑張ろうって、明るい未来が待ってるから」

 3日午前、3時間目のホームルーム。3年2組の教室で、うつむきがちになっていた児童約30人に向け、担任の宇田津香織教諭は優しく呼び掛けた。

 同校では、明瀬忠義校長が校内放送で約10分間、休校の理由などを全校児童に説明。同クラスの女子児童(9)は「(休校は)急でびっくりした。もうちょっと友達と会いたかったのに」と肩を落とす。別の女子児童(9)は「ドリルを新しく買ってもらい、しっかり勉強したい」と話した。

 学校独自の取り組みとして、健康状態や宿題を確認するために休校中に2、3日間の登校日を設けることも知らされた。「やった!」「本当は毎日来たいけどね」と喜ぶ児童たち。宇田津教諭は笑顔で言う。「またみんなで集まれるね」

 政府の要請に対し、市は休校開始を2日間遅らせる措置を講じた。全国の教員が保護者への連絡や休校中の課題作成などに追われた中で、「ある程度の心の余裕は持てた」と宇田津教諭。この日は学期末の「お楽しみ会」も開かれ、「2日間で子どもたちも前向きに休みを迎えられるのでは」と話した。

 政府による休校要請の当日、宇田津教諭は友人からのLINE(ライン)で休校を知った。「声を出して驚いた。何をしたらいいのか考えてきたが、今もまだ正しいことができているのか分からない」と不安な胸の内を明かし、こう続ける。「こういう状況なので休校は仕方がないとは思う。まずは子どもたちが毎日を健康に過ごしてほしい」

 全市立学校では4日以降も、共働きなどやむを得ない事情がある児童、生徒は学校で過ごすことができる。同校では全校児童955人のうち149人が登校予定という。明瀬校長は「子どもたちにとっては進級・進学を控える大事な時期。子どもたちのために何ができるのか、休みの間も引き続き考えて支援していきたい」と話した。

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