ジョナサン・レイ「自分のリズムは掴んだがタイヤがダメになった」/SBK第1戦オーストラリア レース2コメント

 3月1日にオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで行われたスーパーバイク世界選手権(SBK)第1戦オーストラリアのスーパーポール・レースとレース2を終え、カワサキ、ヤマハ、ホンダ、ドゥカティ、BMWのファクトリーライダーと日本人ライダーの高橋巧がレースを振り返った。

■カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKジョナサン・レイ SPレース:優勝 レース2:2位
「スーパーポールレースでは良いスタートを決めて、残り数周でリズムを掴んだかのようだった。トプラク(ラズガットリオグル)のフロントタイヤが見えたので、彼が(背後に)いるのだとわかった。最終ラップではバイクをイン側のラインに乗せた時に、もう少しトラクションをかけられるとわかった。僕の家族のためにも、本当にスーパーポール・レースで勝ちたかった」

「レース2でも勝てたらよかっただろう。でもかなり変なレースだった。土曜日のレース1で22周を走ることを経験していなかったから、バイクがどうなるのかわからなかったんだ。僕は自分のリズムを掴んだけれど、残り5周でうなだれた。そのラップを終えた後すぐに、またタイヤがダメになったと感じた。最終ラップで僕はアレックスに近づいたけれど、トップでラインを通過するには足りなかった。昨日は(トップから)25ポイントも離されたけれど、今日は19ポイント差だ。全体的には良い日だったよ」

アレックス・ロウズ SPレース:4位 レース2:1位
「フリー走行では、クルーチーフのマーセルが僕に対して古いタイヤでの走行に取り組むよう押し進めた。だから少し気温が高くなった時に、僕たちの思うつぼになるとわかっていたよ! グリップが落ちた時に、僕は他のライダーよりも安心して走れるようになるとわかっていた」

「レース2ではたくさんのライダーが接触していた。たとえばジョニー(ジョナサン・レイ)がペースをコントロールしようとしていた時に、(ロリス)バズが何度か僕にぶつかってきた。落ち着いているのも大変だったけれど、毎周ピットボックスを通り過ぎる時に、僕は自分自身に『リラックスして、落ち着いて、次の10周を走ろう。リラックスして』と言い聞かせた。最終的には、幸運なことに他のライダーよりもグリップがあって、レース2で勝つことができた」

「カワサキとともに素晴らしいスタートになった。もちろんこのトラックは(他とは)性質が違うので、ここでのレースを楽しんで、そしてカタールに向かってリフレッシュすることが必要だ。どれくらい他のライダーに匹敵できるかは、そのうちわかるだろう。でも最初のレースには本当に満足している」

アレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)
マイケル・ファン・デル・マーク(パタ・ヤマハ・ワールドSBKオフィシャルチーム)

■パタ・ヤマハ・ワールドSBKオフィシャルチームトプラク・ラズガットリオグル SPレース:2位 レース2:リタイア
「素晴らしいシーズンのスタートだ。フィリップアイランドでは過去2年、まったくいいところがなかったが、今年はR1で優勝することができた。今日のスーパーポール・レースも悪くはなくて、実際のところはとても好調だったが、終盤はスピンが激し過ぎて、最終ラップの最終コーナーでジョニー(ジョナサン・レイ)に抜かれてしまった」

「レース2は長いレースだったが、終盤まで我慢して残り4ラップでロリス・バズをパス。そのまま表彰台に向かって走っていったが、戦いは突然に終わった。でも総合的にはとても素晴らしいレースウイークで、レース2はただアンラッキーだっただけだと思う。もし問題がなかったとしても勝てなかったかもしれない。でも次もまた必ず、あの戦いのなかにいたいと思う」

マイケル・ファン・デル・マーク SPレース:5位 レース2:4位
「午前中のスーパーポール・レースでは、昨日まで好調だったマシンのフィーリングがつかめなくなっていて大いに苦戦。昨日はすべてが順調だっただけに悔しくて仕方がなかった。それでもレース2はセッティングの問題を解決して臨み、絶好のスタートで始まった」

「その後も作戦通りに進めることができ、トップに出ずにペースを抑え、タイヤに負担をかけないように慎重に走った。そのまま残り2ラップまでは何も問題がなかったが、周りのライダーたちがプッシュし始めたのに合わせて僕も勝負をかけようとしたら、十分なグリップが残っていなかったことがわかった。その結果またしても表彰台を逃してしまったが、開幕戦でここまで速く走れたことには満足している」

レオン・ハスラム(TEAM HRC)

■Team HRCアルバロ・バウティスタ SPレース:16位 レース2:6位
「昨日より難しいレースになった。午前中のスーパーポール・レースで転倒したことで、レース2のグリッドが後方になってしまったからだ。スーパーポール・レースではトップ5争いができると思っていたので残念。昨日からマシンを少し調整してとてもよくなった。しかしがんばりすぎてフロントから転倒してしまった」

「レース2は路面コンディションがとてもトリッキーで、グリップがなく、コーナーでスピードをのせることができなかった。今取り組んでいることのひとつは加速をよくすることだが、レース2は正直かなり厳しい状況だった。それでも全体的には、速いライダーたちとそれほど離れていない。今週末は前進できた。多くのデータを収集することができたから、ポジティブだったと思う」

「僕のようにほかのマシンに慣れているライダーにとって、新しいマシンに乗り換えてすぐに勝つというのは簡単ではない。みんなとても協力的で、僕をサポートしてくれている。僕のリクエストに応えようとがんばってくれている。それだけではない。僕たちにはマシンの改善という点で、まだまだ多くのマージンがある」

レオン・ハスラム SPレース:8位 レース2:12位
「自分のミスでギヤをニュートラルに入れてしまい、レース2では転倒してしまった。表彰台に上がれるペースがあると思っていたから少し残念だ。でもこのサーキットでは、タイヤをセーブすること、エンジンをうまくコントロールするなど、すべてをうまくまとめることが勝敗のカギを握ることをみんな知っている」

「そういう状況の中で、ニューマシンで戦う我々にとっては、比較する過去のデータがないことが、今回のレースでは大きなハンディキャップになっていた。レース1は残り4周までいい走りができていたので、今週末はポジティブなこともあった。しかし、今日は少し難しいレースになった。スピードにはかなり満足しているが、もう少しうまくコントロールする必要がある。まだ基本的なことや戦略をテストしているところだ。こうした作業は次のカタールラウンドまで続くと思う」

スコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)

■Aruba.it レーシング-ドゥカティチャズ・デイビス SPレース:13位 レース2:5位
「厳しい週末になったが、レース2の結果は悪くないと思う。スターティング・グリッドが悪かったわりには、先頭グループに迫ることができた。もちろん、素晴らしい結果とは言えないが、ポジティブな形で終わることができた。これは非常に重要なことだ。やるべき仕事はまだたくさん残っている。次のカタールは大好きなサーキットなので、今から楽しみにしている」

スコット・レディング SPレース:3位 レース2:3位
「何と表現したらよいだろう? 今週末のレースでは、3回とも表彰台に立ち、そのうちの2回はトップとわずか1秒差以内だった。スーパーバイク初参戦としては、上々の結果だと思う。素晴らしい仕事をしてくれたチームのメンバーに感謝したい。シーズン初戦に素晴らしいスタートを切ることが何より重要だった。その意味では非常に満足している。まだスピードが少し足りない気がするが、僕よりも体重がはるかに軽い(昨年の開幕戦で優勝した)アルバロと比較するのは適切ではないね」

トム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)

■BMWモトラッド・ワールドSBKチームトム・サイクス SPレース:6位 レース2:10位
「この週末は、これまで経験してきた少し不運な週末のひとつだった。予選は信じられないほど良かったし、BMW S1000RRのペースはとても素晴らしいもので、バイクに乗っていて本当に快適だった。スーパーポール・レースでは、感触はとても良かった。いくつかインシデントがあったので、僕は1.6秒も失った」

「そして偶然にも、それ(1.6秒のロス)はレース終盤の先頭のライダーと僕とのギャップと同じタイムだった。でも、僕たちは前進できた。最後のレース(レース2)では、良いスタートを切ることができて、僕は少しタイヤをセーブしようとした。でも残念ながら技術的なトラブルがあったので少しタイムをロスしてしまった。がっかりしたけれど、僕もチームもベストを尽くした。カタールに向けて、これを続けていくつもりだ」

ユージン・ラバティ SPレース:欠場 レース2:欠場
「残念なことにウォームアップ中にクラッシュしてしまい、脳震盪を起こしてしまったので、医者からレースに出場する許可が降りなかった。僕は彼らの決断を理解したよ。ライダーとしてはそれを受け入れるのは簡単なことではないけれど、最終的にはこれが正しい判断だった」

「バイクは良かったので、クラッシュについて本当にがっかりしている。ウォームアップの1周目にクラッシュしたので、僕はもっとためらうべきだった。そうすればコース上でトップにいただろう。今日はレースのための大きなチャンスを失ったので、僕は自分の時間をとってもっと冷静になる必要があった。チームに申し訳ない」

高橋巧(MIEレーシング・アルティア・ホンダ・チーム)

■MIEレーシング・アルティア・ホンダ・チーム高橋巧 SPレース:15位 レース2:リタイア
「このサーキットは簡単に攻略できるレイアウトではありませんが、SPレースからレース2にかけて、マシンのフィーリングがよくなったと思います。今週末は、さまざまな問題がありましたが、まだ経験が浅く、このプロジェクトが新しいということを考えれば、決して悪くはない結果だと思います」

「全体的には前進することができました。引き続きチーム一丸となって経験を積んでいきたいと思います。ここまで学んだことを次のカタールラウンドに活かしたいです」

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