「チームの不振は私に子供がいるからではない」ウイリアムズF1副代表、性別を理由にした批判に反論

 ウイリアムズの副チーム代表を務めるクレア・ウイリアムズは、自身の性別を理由に批判を受けてきたことを明かし、今後はその批判が間違いであることを示し、堂々と戦うと述べた。

 2012年に彼女の父親であるフランク・ウイリアムズが一線を退き、クレアは2013年からウイリアムズの指揮を執っている。しかし残念なことに、チームは過去数シーズンにわたって不振に見舞われており、こうした状況からチームトップの変更を求める声も多く上がっている。

 そして偶然かどうかは分からないが、そうした要求は、クレアが2017年10月に息子を出産した後に始まっているのだ。

「成功できないでいると、一部の人々はすぐに私が女性であるという事実のせいにします」とウイリアムズは『PA』通信社に語った。

「私が女性だからということで、彼らには辛い思いをさせられたかもしれません。私が妊娠出産をした時からチームは不振に陥ったとF1パドックの多くの人たちが考えていると、実際にある人物から言われたことがあります。よくもそのようなことが言えたものですね」

「F1には他に9人のチーム代表がいて、彼らのほとんどに子供がいることは確かです。彼らに同様の批判を向けることがそもそもあるでしょうか? 私はF1チームを率いている女性だから、子供を持つことを許されないのでしょうか? それは恥ずべき考え方であり、まるで19世紀の考え方のようです」

「私は週に7日、ほぼ1年中仕事をしています。もし息子のネイトを数回レースに連れてこなければ、私は彼に会う機会がほとんどないのです。でも私はそのことについても批判されています。私に勝ち目はありません」

「子供を抱いてパドックを歩いていくと、悩みに苛まれます。私はF1チームを運営しようとしているひとりの母親であるという事実を、実際に隠さなければならないのです」

「ウイリアムズが現在不振にあることは、私に子供がいるせいではありません」

 F1コミュニティに対するクレアのメッセージは明確だ。クレアの性別を理由に彼女の統率能力を批判したり疑問を投げかけたりする者は、伝説的な父親から一家に受け継がれた、彼女の特徴でもある不屈の精神と決意を強めるだけだという。

「私は、男性優位のこの世界にいる女性であるという事実を利用したいと思います」

「今年パドックを歩き、チームをより上に引き上げたいと思います。あのような人々がすべて間違えていることを示すだけでなく、女性は大きな批判を受けたとしても、堂々と戦い続けることができることを示すのです」

「私は女性であり、妻にも、母親にもなることができ、F1チームの運営を成功させることもできることを証明するためです」

「そうすることで、辛い時期にあったり、苦戦している女性たちに非常に力強いメッセージを送ることができることを願っています」

「仕事の場で女性にどのように対処するかについて、社会には非常に多くの根本的な変化が必要とされています。これまでのところ、状況が時代に追いついていないからです」

2019年F1第20戦ブラジルGP:ウイリアムズのクレア・ウイリアムズ副代表と夫のマーク・ハリス

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