ラリードライバーのクリス・ミークが、5月8~10日にニュージーランドで行われるラリーイベント『ラリー・ファンガレイ』に出場すると発表した。使用するマシンはマツダ2 AP4で、コドライバーはセブ・マーシャルが務める。
WRC世界ラリー選手権で通算5勝を挙げているミークは、2019年はTOYOTA GAZOO Racing WRTの一員としてシリーズを戦い、ドライバーズランキング6位を獲得。しかし、チームが2020年に向けてドライバーラインアップを一新したことでシートを失った。
トヨタ離脱後、ミークは自身のSNSアカウントに「WRCに一度さよならを告げる」と投稿し、シリーズからの引退を表明。今年に入ってからはダカールラリーの現場に姿をみせるなどモータースポーツ界とのつながりは維持していたものの、実戦には出場していなかった。
そんなミークは3月4日にTwitterやInstagramを更新し、5月にニュージーランドで行われるラリー・ファンガレイに出場することを発表。あわせて大会公式サイトでもミークの参戦が告知された。
大会公式サイトによれば、ミークは2019年までコンビを組んでいたマーシャルとともに出場。キャリアで初めてニュージーランドのラリーイベントに参戦する。
使用するマシンは、地元ニュージーランドの『フォース・モータースポーツ』が用意するマツダ2 AP4。同マシンはニュージーランドのモータースポーツ統括団体(ASN)による認証を受けた地域特認ラリーカーだ。
フォース・モータースポーツは、このマツダ2 AP4を使って2017年のニュージーランド・ラリー・チャンピオンシップでタイトルを獲得している強豪でもある。
ミークは大会公式サイト上に「これまでWRCで培ってきた経験を活かし、ニュージーランドでラリーカーを走らせることは長年の夢だった」とのコメントを寄せている。
「諸般の事情で、ラリー・ニュージーランドがWRCに組み込まれていたタイミングでシリーズに関わることができていなかったからね」
「幼いころ、ユハ・カンクネンやコリン・マクレー、リチャード・バーンズといったレジェンドたちがニュージーランドのステージを走る写真などを見ていたから、いつかニュージーランドを走りたいと思っていたんだ」
「だから(フォース・モータースポーツのオーナーである)アンドリュー・ホークスウッドから連絡をもらったとき、参戦を快諾したよ」
このラリー・ファンガレイには、同じく元WRCドライバーのヘイデン・パッドンも出場を予定しており、WRC経験者のふたりによる総合優勝争いが予想される。
しかしミーク自身は「ヘイデン・パッドンもWRCの第一線で活躍したドライバーだ。ただ僕にとっては、とにかく大会を楽しむことが第一目標なんだ」と述べている。
「ラリーを楽しみながら、各ステージを探求していきたい。ヘイデンに挑むつもりや勝とうという思いはないけれど、僕がどんなチャレンジにも100%全力で挑む人間だということは、誰もが知っているはずだよね」
2020年のラリー・ファンガレイは、ニュージーランド北部のファンガレイを中心地として、約262kmの走行距離で争われるグラベル(未舗装路)イベントとして行われる。