神奈川県内の百貨店や商業施設で営業時間を見直したり、イベントを中止したりする動きが相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大防止のための対応だが、2月の売上高は前年同期を大きく下回り、関係者からは悲鳴が漏れ聞こえる。
横浜高島屋(横浜市西区)は先月28日から今月17日までの19日間、営業時間短縮を決定。通常の午前10時~午後8時から、午前10時半~午後7時半に切り替えた。期間中のイベントは中止し、食品売り場ではパンなどは個別包装で販売している。
そごう横浜店(同)はフロアごとに営業時間を見直した。3日から17日までの15日間、地下2階食品フロアの開始を1時間遅らせて午前11時~午後8時営業。
地下1階から8階までは午前11時~午後7時とし、計2時間営業を短縮する。10階レストランフロアは午前11時~午後9時で、閉店を2時間早める。店外で実施する販売会や、子どもを対象にした店内のイベントは当面の間、中止するという。
大手百貨店5社が2日に発表した2月の売上高は全社が前年同期を下回り、高島屋は11.7%減、そごう・西武は6.5%減だった。
横浜高島屋は「今後もイベントの見直しなどがあり、3月はかなりの影響が出ると考えている」と危機感を口にし、そごう横浜店も「早く日常が戻ればと願うばかり」と話す。
ルミネ(東京都渋谷区)も2日から当面の期間、営業時間を変更した。県内店舗ではルミネ横浜(横浜市西区)が午前11時~午後8時、大船ルミネウィング(鎌倉市)、ルミネ藤沢(藤沢市)が午前10時~午後8時と、通常より1~2時間ほど時間を短縮する。
一方、通常営業を続ける施設もある。
京急百貨店(横浜市港南区)は店舗の一部を除き、通常通り営業する。ただ、子ども服売り場にある遊び場の使用や、食品フロアでの試食販売は中止しているという。
また、流通大手イオン傘下のイオンリテールが運営する県内の総合スーパー23店舗も通常時間で営業する。イオンリテール南関東カンパニーの広報担当者は「食料品を扱うなどお客さまのライフラインに関わっているため、今後も状況を見ながら通常営業を続けていきたい」としている。