新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校が川崎市内でも4日に始まった。市立の全175校が、共働きなどやむを得ない事情のある子ども向けに「児童生徒の居場所」を提供。小学生を対象にしたわくわくプラザ(学童保育)も利用者を絞った上で開所され、初日は大きな混乱はなかった。
「居場所」は午前8時半から午後2時まで開設された。宮前区の小学校では同日朝、児童が通勤途中の保護者に付き添われ「居場所」に向かう姿が見られた。
女性会社員(42)は2年生の長男(8)の弁当を持参。普段は付き添いや弁当作りはしないといい「初日で様子が分からないので一緒に来た。学習が滞らないか心配」と話した。40代の銀行員の女性は「預かってくれるだけでもありがたい。1年生の長男が『行きたくない』と言い出さなければいいけど」と話し、駅へと急いだ。
市によると、「居場所」を利用したのは小学校の児童の約15%で、1校平均約100人が利用したという。同日の定例会見で福田紀彦市長は「大きな混乱は今のところ聞いていない」と話した。
幸区の御幸小学校では約70人が「居場所」を利用し、うち約40人は午後2時以降にわくわくプラザへ移動した。普段は100人以上の利用があるものの、休校期間中は見守る保護者らが自宅に不在の児童のみに利用を限定した。
濃厚接触を避けるため、室内では児童が向かい合って遊ばないよう机の配置を変更した。児童が密集しかけると、「離れて遊ぼうね」と声掛けを続けた。普段以上に手指の消毒を徹底させたほか、換気を励行するなど感染防止へ細心の注意を払った。
わくわくプラザのスタッフリーダー阿部万理さんは「児童が殺到しなかったので、濃厚接触が防げ少し安心した」と胸をなで下ろした。