臨時休校の学校開放 「いつもと変わらず」も手探り

マスクを着用し、周囲との距離も取って自習する児童たち=横浜市立六浦小学校

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、横浜市教育委員会は市立学校の臨時休校が始まった3日から、共働き家庭の小学校低学年らを学校で受け入れている。安倍晋三首相の突然の要請で、準備時間も十分取れない中、手探り状態で、初めて講じる緊急措置に取り組んでいる。

 「おはようございます」

 市立六浦小学校(同市金沢区)に4日、マスクを着用した1~3年生が元気に“登校”してきた。すぐに手洗いやアルコール消毒をし、朝の体温を記入した「健康観察票」を提出。感染を防ぐため、1席分ずつ空けて座り、持参した国語や算数のドリルなどに向き合った。3年の女児(9)は「1人でお留守番もできるけど、学校だとみんなと一緒にいられるから安全」と話した。

 首相が全国一律に臨時休校を要請したのは2月27日。市教委は翌28日、3月2日から13日まで計510校を休校にするとともに、小学1~3年生や個別支援学級、特別支援学校の児童・生徒を、独自に学校で緊急的に受け入れることを決めた。また休校期間中、家庭訪問をし、児童・生徒の健康状態などを確認するよう各校に依頼した。

 各校は休校前最後の登校日となった2日、緊急受け入れの利用希望日を記入する書類を配布。3日に児童が持参して初めて、利用実態を把握できたのが現状という。

 市教委によると速報値で、3日は9101人、4日は8657人の児童・生徒が利用。うち同校は3日が18人、4日が21人と、1~3年生全体(190人)の約1割にとどまった。「予想より少なかった」と大谷珠美校長。こまめに換気するなど予防に努めつつ、家庭弁当を食べさせた後は全員で掃除をするなど、「『いつもと変わらない状況』と伝えている」と説明した。

 休校期間について、市教委は9日に判断し、各校に通知する予定だが、同校の教員の一人は戸惑いを口にした。

 「年度末がどういう形で終わり、新年度に向けた準備をどこまでやっていいのか、分からない」

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