PCR検査 態勢拡充へ協議会 長崎県、保険適用受け来週にも

新型コロナウイルスを検出する機器「リアルタイムPCRシステム」(長崎県提供)

 新型コロナウイルスを検出する「PCR検査」が6日から公的医療保険の適用対象となり、今後は保健所を通さず検査が可能となる。長崎県内では現在、県と長崎市の計2機関が検査を実施しているが、県は来週にも医療関係者と協議会を設け、検査可能な医療機関や民間を調査する。
 長崎県医療政策課によると、県内の検査機関は県環境保健研究センター(大村市)と長崎市保健環境研究所。感染の疑いがある人の鼻の粘液など「検体」の遺伝子を増殖させ、ウイルスの有無を調べる機器「リアルタイムPCRシステム」で検査。結果が出るまで約6時間かかるという。1日の検査能力は各機関最大40件の計80件。2月14日から3月4日までに計77件を調べ、全て陰性だった。
 同課は現在も「検査能力に余裕はある」としているが、「今後の感染拡大を考えると、二つの検査機関の能力を超える段階が来ないとも言えない。早めに他の検査機関を調査したい」としている。
 せきや発熱など感染が疑われる症状がある人は、各保健所に設置された「帰国者・接触者相談センター」に連絡。「帰国者・接触者外来」が設けられた県内25の医療機関を受診し、医師が必要と判断すれば従来は保健所を通して検査をしていた。今後は保険適用で自治体が医療機関に検査を委託し、保健所を通す必要はなくなるという。
 同課は「当面は保健所を通して現在の二つの機関で検査をする」としている。

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