富士通、日本政府向けのクラウド事業に本格参入

昨今、企業のデジタルトランスフォーメーションが加速している。また、政府でも、デジタル・ガバメントの実現に向けて情報システムをクラウド環境に移行する動きが進んでいる。クラウドを利用することで、コスト削減やシステム導入の期間短縮、様々な先端技術を取り入れた機能の実装などを実現する一方で、従来のオンプレミス環境に比べて顧客の個別要件に応じたセキュリティ品質の確保や柔軟な運用対応などが難しくなってきている。そこで、富士通株式会社は、日本政府向けのクラウド事業に本格的に参入すると発表した。これまで提供してきた同社の国産クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」をベースに、中央省庁や関連機関向けの新たなクラウド(以下、ガバメントクラウド)のサービスを開発し、2020年5月に販売開始する。同サービスは、従来、オンプレミスで構築されていた中央省庁および関連機関の情報システムに求められる安全性や柔軟な運用に対応し、機密性の高い情報を取り扱う情報システムをクラウド上により安心・安全に構築することを可能にする。また、今後のクラウド利用に向けて政府が2020年度中の運用開始を予定しているクラウドサービスのセキュリティの評価制度(※)へも対応する予定だ。ガバメントクラウドの特長は以下の通り。

1. 政府情報システムに求められる安全性基準に対応同社のガバメントクラウドは、政府機関特有の安全性基準を満たし、機密性の高いデータを取り扱う基幹業務を中心とした政府の情報システムを安心・安全にクラウド上へ構築することができる。

    • 国産のクラウドをベースとし、オープンソースに対応「FUJITSU Cloud Service for OSS」をベースとしているため、データが国外に流出するリスクを抑制する。オープンソースソフトウェアによるマルチベンダー対応で、顧客の要件にあわせた最適なシステム構築が可能となる。
    • 運用スタッフの専用体制運用にあたる同社グループの専任スタッフを明確化し、高い運用スキルをもとに顧客のシステム状況に応じた柔軟な運用を支援する。
    • ログ・レポートおよびサプライチェーンリストの情報開示オンプレミスシステムと同様に、システム監査への対策として、中央省庁および関連機関のシステムごとに、アクセスログを抽出し、提供することができる。また、安全性基準に従い、クラウド基盤の利用機器一覧であるサプライチェーンリストを開示することで、データ流出などに備えたリスク管理が可能となる。

2. システム要件に応じた3タイプのサービスを提供システム要件にあわせて3つのクラウド環境を揃えており、単体もしくは各タイプのハイブリッド構成で提供する。

    • サーバ共有型:各省庁や関連機関の間で、サーバ、ストレージ、クラウド管理機能などのクラウド環境を共有
    • サーバ専有型:省庁ごとにサーバとストレージを専有、クラウド管理機能は共有
    • 完全専有型:クラウド管理機能を含むクラウド環境を専有

3. 柔軟な契約メニュー料金が使用量に応じて変動する従量課金だけでなく、数年単位の年額契約での利用が可能。また、利用期間をあらかじめ確定させることで、通常より料金を抑えることができるプランと従量制プランを組み合わせたサービスなど、システムごとに提供できる。

※政府が一定のセキュリティ基準を満たすクラウドサービスを効率的に調達するための制度プレスリリース提供:富士通

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