
国連軍縮研究所(ジュネーブ)のレナータ・ドゥワン所長が8日、長崎市平野町の長崎原爆資料館を訪問し、核軍縮の取り組みや4月から米ニューヨークで開かれる予定の核拡散防止条約(NPT)再検討会議などを巡って田上富久市長や被爆者らと意見交換した。
田上市長とは核軍縮に向けた取り組みなどについて対談。ドゥワン所長は「第2次世界大戦を経験された方々の多くが亡くなり、核軍縮の教育への取り組みが重要性を増している。核を使用するリスクを分析し、解決策を見いだしていきたい」と述べた。田上市長は「被爆75年の節目に長崎に来ていただきうれしい。今後も協力してメッセージを伝えたい」と語った。
続いて長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長ら3人の被爆者と非公開で面会し、NPT再検討会議で発信してほしいメッセージなどについて意見を交わした。
ドゥワン所長はアイルランド出身。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)で武力紛争と紛争マネジメント部門の研究に携わり、2004年から国連で平和・安全保障問題を担当している。18年から現職。
同所長は外務省の招聘(しょうへい)事業で来日。7日は長崎原爆資料館などを視察して爆心地公園で献花したほか、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の教授や学生とも交流を深めたという。