災害時に必要な水と食糧は?栄養バランスや収納方法を現役CA栄養士が徹底解説

いつ起こるかわからない災害に備えて

2011年3月11日の東日本大震災から9年が経ちますが、ここ最近も各地で地震が起こっていますよね。

内閣府によれば、30年以内にマグニチュード7クラスの首都直下地震が起こる確率は70%だそうです。

大きな地震は、いつ起こってもおかしくない状況なのです。

起こらないことを願いますが、最悪のケースを考えて準備をしておくことは大切です。

では、そもそも災害時には何が必要なのでしょうか。

今回は、現役CA栄養士・神原が、災害時に必要な水と食糧、そして災害時、電気やガスを使えない時期の栄養バランスの取り方や備蓄品の収納方法について、解説いたします。

 

多めにあっても困らない飲み物

生きていくうえでなくてはならないものの一つ、水。

飲み水と調理水をあわせて、ひとりあたり一日に必要な水の量は3Lだと言われています。

一緒に暮らしている家族がいる場合、最低でも「人数×3日分」は用意しましょう。

災害用の保存水は、一般的なミネラルウオーターよりも保存期間が長いのが特徴です。

ネットでまとめ買いできるので常備すると良いでしょう。

期限が切れてしまった場合も、生活用水としても使えます。

その他、お茶やスポーツドリンクなどもあると、水以外のものが飲みたいときに良いですよ。

ちなみに大きなペットボトルは、飲むための紙コップも必要になりますので、準備してくださいね。

 

栄養素バランスを考えた食糧

水と同じく、最低でも「人数×3日分」の食糧は必要です。

物流が滞った時のことを考えると、1週間分あると安心です。

災害発生後、ライフラインが復旧するまでには時間がかかります。

まずは火や水を使わずにそのまま食べられるものを準備しておくと良いでしょう。

例えば、ビスケットやゼリー飲料、缶詰製品などがおすすめです。

火や水が使えるようになれば簡単な調理ができるようになり、食べられるものは多くなります。

災害食を揃える時は、日頃の食生活のように栄養素バランスを考えて選びましょう。

例えば、糖質(ごはん、パン、麺類など)はインスタント食品からでも比較的摂りやすく、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品など)やビタミン・ミネラル・食物繊維(野菜、果物など)は不足しやすい傾向にあります。

缶詰製品(魚・肉・豆類などの加工品)はたんぱく質を効率よく摂ることができますし、上でも説明したようにそのまま食べられるというメリットもあるのでおすすめです。

ビタミン・ミネラル・食物繊維は、野菜ジュースやフリーズドライのスープなどで補うことができます。

偏った食事は、ただでさえ心身ともに疲労している状態の災害時、体調不良や免疫力の低下に繋がる可能性があります。

災害発生後に栄養素バランスを考慮して食事を用意するのは難しいです。

前もって用意しておきましょう。

 

 

 

スペース節約!ローリングストック法

「そんなにたくさんの水と食料、ストックしておく場所がない!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一人暮らしの方は特に、収納スペースが限られていて非常食を置く場所を確保するのは厳しいですよね。

そんな時におすすめなのが、ローリングストック法です。

これは、多めに買い置きした食品を古いものから消費しては買い足し……を繰り返し、常に一定の備蓄を保つ方法です。

非常食のために特別なスペースを用意する必要がないのが最大のメリットです。

また、ほとんどの食品には消費期限がありますが、これなら常に新しいものをストックでき、食費期限の短いものや普段食べている物でも備蓄できるのです。

さらに、ここ最近災害食の種類も増えていますが、災害時こそ日頃食べなれたものを口にすることで安心感も得られるでしょう。

 

まずは食品から揃えましょう

いつ災害が起こっても大丈夫なように、まずは食品から準備してみてはいかがでしょうか。

何をどのくらい必要なのかを知ることで、準備の参考になれば幸いです。

 

 

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