「通電火災」にご用心 大和市、木造住宅向けにステッカー

 神奈川県大和市は、大規模地震発生時に多発が懸念される通電火災への注意を呼び掛けるステッカーを作製し、市内の木造住宅の世帯を中心に配布する方針を決めた。

 通電火災は、停電復旧時に転倒した電熱器具や破損した配線などで起きる。住民が避難して不在だと、初期消火ができず、延焼拡大につながる危険性がある。1995年の阪神大震災では、神戸市内で起きた建物火災157件のうち、33件が通電火災が原因だったという。

 市内は住宅密集地が多く、市消防本部がステッカーの作製・配布を決めた。南林間と西鶴間をモデル地区に設定。消防職員が5月中旬から、木造住宅を戸別訪問してステッカーを配り、通電火災の危険性も説明する予定。玄関などに貼ってもらうステッカーには「ブレーカーを切る」など、避難する際の行動を記す方向で検討している。

 市は2020年度当初予算案に関連費300万円を計上した。

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