新型コロナウイルス対策として、びわ湖ホール(大津市打出浜)で無観客で上演された自主制作オペラ「神々の黄昏」が8日、2日間の日程を終えた。上演は動画サイトで無料で同時配信され、両日ともに常時1万人以上が視聴した。関係者は「何とか無事に終えることができた」と、異例の公演後に胸をなで下ろした。
2日目も午後1時から公演が始まり、6時間にわたって動画投稿サイト「ユーチューブ」で同時配信され、2日間で2万3千人以上が視聴した。
公演を終えて、同ホール芸術監督で指揮者の沼尻竜典さんは「スタッフ出演者が一丸となった。(4部作で)毎年見ていただいたお客さまもおり、期待してもらった。それを裏切らずにできて良かった」と振り返った。同ホールの山中隆館長は「今日、千秋楽を迎えて、無事に公演が終わりほっとしている」と話した。
作品は、同ホールが2017年から毎年1作ずつ上演するワーグナーの大作「ニーベルングの指環」の4部作の完結編。オペラ界の巨匠ミヒャエル・ハンペさんが演出し、管弦楽は京都市交響楽団が担った。制作費1億6千万円をかけて約1年がかりで準備を進めてきた。プロジェクションマッピングも使った荘厳な舞台演出で、出演者たちが美声を響かせた。