遊星横町トーク&ライブ "激戦区2020"〜わたしたちのライブです〜「また10年後の再会に期待を込めて」

遊星横町トーク&ライブ “激戦区2020”〜わたしたちのライブです〜

2020年2月26日(水)Naked LOFT

また10年後の再会に期待を込めて

2019年12月31日に通販限定でリリースした遊星横町のCD『激戦区2020 〜わたしたちの盤です〜』の記念イベントが、2月26日(水)にNaked LOFTで開催された。

〈遊星横町〉とは、植木雄人(当時・植木遊人)、ストライカーズの星野概念、テルスターの横山マサアキ、町田直隆の4人が集結し、2009年の1月から約1年ほどRooftopで連載をしていたコラムのタイトル。詳しい説明がRooftop2019年12月号、2020年1月号に掲載されているので、ぜひご一読を。

今回のイベントはトークコーナーとライブコーナーに分けられ、まずはトークコーナーから。当時掲載していたコラムをスライド式で紹介し、スライドを見てああだこうだ言いながらイベントが進められていく。

イベント中に町田さんが「全然乗り気じゃなかった」と言っていたスケートをやる回では、私も当時コラム担当として同行していたが、町田さんが本当に乗り気ではなかったことを思い出した。途中でスケート靴を脱いでどこかに行ってしまったほどだったから。集合写真も1人だけ浮かない顔をしていたのも記憶に残っている。

他にもストレッチの先生に体操を教えてもらったり、公園に行って写生をしたり、いろんなことに挑戦をした写真が映し出された。植木さんは各回の誌面に載ってないエピソードを今でもかなり詳しく覚えていて、「けっこうこのコラム毎月楽しみにしていたんだよ」と。10年越しにそんな言葉を聞けて、担当としては嬉しい限り。

トークを一旦終えて、次はライブを。

まずは横山さんから。コンピレーションに収録されている「オーライ/サティスファイ」や「粋にゴーナウ」、テルスターの「孤独が匂うのだ」「決意はあるのか?」などをアコースティック・ギター1本で披露。

最近ではバンドでのライブ活動がほぼなくなり、横山さんの演奏を聴くことがなくなってしまったので珍しい機会。お客さんも真剣に演奏に耳を傾けていた。

最後はテルスターのライブでは恒例の「ブラスバンド」を披露し、ステージを後にした。アコースティックで演奏される「ブラスバンド」だったが相変わらずの迫力だった。

続いて星野さんが登場。今回、青木拓磨さんとトランペット奏者の三浦千明さん、そしてフラメンコ・ギタリストの今泉仁誠さんも参加。

今泉さんのギターの音色に乗せて3人で美しい歌声を聴かせたり、コンピレーションに収録されている「平熱大陸」では、三浦さんのトランペットが心地よく響いていた。

星野さんが12月号に掲載したインタビュー時に言っていた、「唄い切るとビタミンの効能を全部覚えられる曲」も披露。タイトルは「ビタミンABC」。本業は医者ゆえに、ビタミンの摂取方法と摂取タイミングについてとても勉強になる歌詞だった。自分のスマホに歌詞を入れてスーパーマーケットで摂取方法の確認をしながら買い物がしたいので、またの機会にリリース希望。

再びトークコーナーでは、連載の後半に結成したヴィジュアル系バンドの話や、池袋サイバーで開催したヴィジュアル系バンドとしての初ライブの思い出話を。なかなか聞く機会がなかったライブの話。楽屋で対バンの方が親切にしてくれたエピソードや、ライブ後にも声をかけてくれたことなどが明かされた。

トークの後は町田さんのライブ。コンピレーションに収録されている「フライウィズミー」や「リバース・エッジ」のほかに、「大阪行き」など普段のライブでも唄っている曲を織り交ぜながら披露。

町田さんはこの10年間もコンスタントにライブを行なっているだけあって、貫禄のあるステージ。ラストの「さらばディズニーランド」では、ステージを降りて客席の中央で生声で唄い、エネルギーあふれるステージを見せてくれた。

ライブ4番目に登場したのは植木さん。1曲目の「サンキスト」では、唄い終わる頃には滝のような汗をかくほど、情熱的なライブで魅了。

コンピレーションに収録されている「摩天楼」の演奏前に、「ライブでこの曲が盛り上がったことがない!」と言っていたが、客席は手拍子をしながら思い思いに体を揺らし曲を楽しんでいた。「亜熱帯気候」や「ロックンロール天国〜少年少女」なども演奏され、大団円となってライブは終了。

最後にもう一度4人がステージへ。「(コラムが終わって10年の間)四者四様の生き方をそれぞれしています。それぞれの道を歩いて、どこかで交差できることがありましたら、また10年後の2030年に集まりましょうか」と横山さん。

今はそれぞれの場所で生活や仕事をしている4人の縁とタイミングが重なり、今作がリリースされ、イベントまで実現した。だから、10年後なのか、それよりも先なのかはわからないが、この4人はまたフラッと集まり、なにか思いがけないことを考えるような気がする。きっとこの日集まったお客さんも、そんな日が来ることをちょっと期待したのではないかと思うし、私もそんなワクワクする日を焦らずに待ってみたいと思った。

この日は『AERA』で連載を持っている星野さんに密着取材が入り、星野さんを『AERA』の誌面でも見られるそう。4月号と言っていたような気がするので、こちらも要チェック。(text:やまだともこ)

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