新型コロナ ふるさと納税でアビガン支援、迅速検出法開発も 神奈川県が募る

県の新型コロナウイルス対策にふるさと納税を活用する仕組みについて説明する黒岩知事(左)と川村社長=県庁

 神奈川県は9日、新型コロナウイルス感染症対策にふるさと納税を活用する新たなプロジェクトを発表した。仲介サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京都)と連携し、9日から31日まで目標額1千万円の寄付を目指す。同社によると、ふるさと納税を活用した新型肺炎対策で返礼品を伴わない取り組みは初めて。

 寄付金を活用するのは、▽富士フイルムの治療薬「アビガン」の治験・臨床研究の支援▽県衛生研究所と理化学研究所によるウイルス迅速検出法開発▽LINEを活用した個人への情報提供・サポート―といった対策で、改良や実証研究をさらに進めていく。返礼品はなく、トラストバンクは災害支援の事例と同様、自治体からの収益は得ずにシステムを無償提供する。

 県庁で会見した同社の川村憲一社長は「先進的な県の取り組みを支援したいと提案した。国民に不安が広がる中、共感を募る形で助け合うことになる」と説明。黒岩祐治知事は「県費でやるべき面ではあるが、波及効果を考え、ありがたい申し出を受けることにした」と述べた。

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