大根?それとも… 安房埼灯台2代目点灯 イベントなどで一般開放 三浦・城ケ島

8日から稼働を始めた2代目の安房埼灯台のデザインを考えた深澤さん

 神奈川県三浦市・城ケ島の東端に立つ安房埼灯台が建て替えられ、8日から稼働した。市民公募のデザインを基に建設され、大根などの野菜を連想させる緑のグラデーションや、とんがった屋根、小窓があしらわれている。県立城ケ島公園(同市三崎町城ケ島)の新たな観光スポットとしても期待される。

 横須賀海上保安部によると、2代目となる真新しい安房埼灯台は高さ16メートルで、初代よりも5メートル高くなった。暗くなると4秒に1度点灯し、初代同様に約13キロ先まで照らす。城ケ島沖の岩礁を照らして漁船に知らせるのも重要な役割だ。灯台は無人で普段は内部に入れないが、イベントなどでは一般開放するという。

 デザインは同保安部などが、城ケ島観光のシンボルにふさわしいものを市民から募集。107点の中からセラピストの深澤紗綾香さん(38)が描いた「とんがり屋根の灯台」が採用された。同保安部の担当者は「デザインの再現率100パーセント」と自負。8日の内覧会で深澤さんは「イメージ通りに完成し感激した。三浦といえば野菜。灯台を見て、ネギでも大根でも自由に連想してほしい」と喜んだ。

 1962年に初点灯した初代の灯台は老朽化した上、海の近くの岩場にあるため、昨年の台風15号で波を受けて電線が切れるトラブルなども発生していた。

 2代目は同公園内の北西に約260メートル離れた地点に建てられた。海から離れており、台風などの際にも安定稼働が期待できる。また、観光客らも目の前まで安全に近づけるため、地元では観光資源としても活用していきたい考えだ。

 初代は4月以降に撤去される見通しという。

© 株式会社神奈川新聞社