開幕延期のプロ野球、全143試合を実施できるのか 日程再編で最善策は?

NPBの斉藤惇コミッショナー【写真:編集部】

9日の会見で斉藤コミッショナーは「143試合は極力やりたい」

 NPBの開幕延期が決まった。9日、都内で新型コロナウイルス対策連絡会議の第2回会議が行われ、専門家チームからは開幕の延期が望ましいとする見解が示された。その後に行われた臨時の12球団代表者会議で、開幕延期が正式に決定された。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、現在、無観客開催でオープン戦を開催しているプロ野球。ペナントレースの開幕延期が決まり、今後は日程の再編という問題に直面することになる。斉藤コミッショナーは「143試合は極力やりたい」と語っており、ペナントレースの試合数削減は現時点では可能性は低そうである。

 試合数の削減となると、入場料収入や球場内のグッズや飲食の売り上げが減少することとなり、球団経営に大きな打撃を与えることになる。では、どのようにして日程を再編することが現実的なのだろう。

 実際に、ある球団関係者と話した中でも、最も現実的な選択肢として考えられたのが、クライマックスシリーズ(CS)の縮小ないし中止だった。

 今季は東京五輪期間中の中断期間が設定されており、7月21日から8月13日の間、ペナントレースは休止される。この間の試合の実施は、侍ジャパンへの選手の供出数によって不公平さが生まれるために難しい。試合が組まれていない日に試合を詰めていくことも可能だが、そうすると選手たちにかなりの負担をかけてしまうことになる。

CSの縮小ないし中止で、2週間ほどの日程の猶予が生まれる

 五輪の中断期間により、今季のプロ野球はCS、日本シリーズも例年より2週間ほど遅く予定されている。昨季はCSが10月5日、日本シリーズが10月19日に開幕したが、今季はCSが10月24日、日本シリーズが11月7日からとなっている。期間全体の先送り、先延ばしもなかなか厳しい。

 そこで思い浮かぶのが、CSの縮小ないし中止だ。今年に限って中止とすれば、日本シリーズが始まる11月7日まで日程の猶予が生まれる。仮に2週間、開幕が延期されても、この期間で十分に穴埋めができる。中止が厳しければ、クライマックスシリーズの縮小開催ではどうか。例えば、1位と2位のファイナルステージだけの開催とし、最大6試合ではなく、最大4試合にすれば、それも日程的にかなりの猶予が生まれる。

 ペナントレース143試合が維持され、シーズンの成績もそのまま反映される。中断期間やシーズン期間の延長となると、球場の確保も難しくなるが、シーズンの期間中であれば、それも何とかなるだろう。CSの縮小、中止は最も影響が少なく、各球団が公平に戦えるのではないか。

 開幕延期が決まり、今後の日程再編について、果たして、どんな結論をNPBは導き出すのだろうか。そして、一刻も早い新型コロナウイルスの収束を願うばかりだ。(Full-Count編集部)

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