視覚障害の困り事 聞かせて 長崎ロービジョンサポート眼鏡橋 医療と福祉、教育 支援へ連携

「まずは相談してほしい」と語る野口会長=長崎市、県視覚障害者情報センター

 視覚障害のため日常生活に不自由がある「ロービジョン」の人たちを支援しようと、県眼科医会と県視覚障害者協会、県立盲学校は日常生活や教育、就労などの相談に応じる支援事業「長崎ロービジョンサポート眼鏡橋」に取り組んでいる。
 医療と福祉、教育各分野で連携し、視覚障害者らの相談の受け皿を広げようと昨年4月に始めた。窓口は西彼時津町の同校と長崎市橋口町の県視覚障害者情報センター。見えにくさ、まぶしさなどに対処するルーペや遮光眼鏡などの道具のほか、職業訓練、進路相談、歩行訓練などの支援内容を紹介している。
 同センターによると、眼科で診断を受けた人たちから「この先仕事を継続できるか不安」「盲学校ではどんな教育が受けられるのか」などの相談が寄せられているという。見えにくくなった家族との関わりについても相談に応じている。
 同協会によると、県内の視覚障害者の数は2019年3月末現在で5410人。17歳の時に「網膜色素変性症」と診断された中途視覚障害者の野口豊会長(60)は「学生や社会人、子育て世代、高齢者など、視覚障害になる年齢や環境によって困り事もさまざま。完全に見えなくなる前に対策をしていた方がいいので、まずは話を聞かせてほしい」と語る。
 問い合わせは県視覚障害者情報センター(電095.846.9021)と県立盲学校内視覚支援センターむつぼし(電095.882.0020)。

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