パイロットの知られざる健康管理術とは?気になる感染症対策も含め大公開

ベールに包まれた、パイロットの健康管理術とは?

新型コロナウイルスの影響で今までになく世の中の健康への意識が高まっています。

 

日々何百人というお客様の命を預かる、パイロット。その責務は健康な心身でないと遂行できません。

 

時差のある地域へのフライトも多いなか、パイロットはどのように健康管理をしているのでしょうか。

ベールに包まれているパイロットの健康管理の実態を、気になる感染症対策も含めてご紹介していきます。

 

とても厳しいパイロットの身体検査

パイロットは年に2回行われる航空身体検査という、特殊な身体検査をクリアしないと乗務できないことをご存知ですか?

 

一般企業等で実施されている内容をはるかに上回る項目があり、かつ異常ありの数値があれば改善するまで乗務停止となる大変厳しいものです。

 

さらに薬の服用についても副作用の影響などから厳格な基準があり、認められたもの以外はたとえ目薬であっても使用できません。

 

そのため、フライト中やステイ中に具合が悪くなっても、簡単に市販薬を飲むこともできないのです。

 

このような点からも、常日頃から高い健康意識と厳しい自己管理が求められる仕事といえます。

 

では、具体的にどんなことを実践しているのでしょうか。

 

 

その1:良質な睡眠へのこだわり

時差や、早朝深夜勤務が当たり前のCA(客室乗務員)やパイロットにとって、睡眠は非常に重要な疲労回復方法です。

 

良質な睡眠を取るために、パイロットも様々なグッズを活用しています。

 

蒸気で目元を温めるアイマスクやお風呂の入浴剤をステイ用のバッグに常備したり、自分の身体に合ったマイ枕を携行しているパイロットもいます。

 

また、フライト後の心身の緊張をほぐし入眠をスムーズにするために、到着後に温泉やサウナ、マッサージに行ったり、ジョギングなどの軽い運動をする人もいます。

 

いずれにしても、緊張感漂うONの状態から、リラックスしたOFFの状態へと切り替えることが重要です。

 

それぞれ自分に合ったリラックス法・切り替え法を実践しているのです。

 

 

 

その2:運動・エクササイズは欠かさない

パイロットは体を動かす趣味をもっている人が非常に多い職業です。例をあげると、テニス、ジョギング、ウォーキング、サーフィン、フットサル、サッカー、野球、ジムでの筋肉トレーニング等々。

 

ステイ先にもトレーニングウェアやジョギングシューズを持参し、フライト前に近くの公園をジョギングしたりする人は珍しくありません。

 

最近は24時間営業のスポーツジムを利用してエクササイズをするパイロットも増えています。

 

また、高齢のパイロットは1~2時間の散歩を無理なく行うなど、各々の体力に合わせて適切な運動をしているようです。

 

このような運動を休日に限らず、ステイ先でも日々コツコツと行っている人が多いことが、健康維持のコツの一つといえるでしょう。

 

 

 

その3:バランスの取れた食事へこだわり

食事も身体をつくる大事な要素の一つです。

パイロットは、日々の食生活はもちろんのこと、フライト中の食事にも気を遣っています。

 

フライト中に乗務員用の食事としてクルーミールというお弁当のようなものが会社から支給されます。

 

しかしクルーミールは、万が一の緊急事態に備えて必要なエネルギーを補給する意味合いもあるため、非常に高カロリーに作られており、かつ保存がきくように食品添加物や保存料が多用されているものがほとんどなのです。

 

毎日このミールを食べるのは健康管理という面においては、あまり適切とは言えません。

 

そのため、時には自分で食事を持参したり、カット野菜や果物、サプリメントで栄養素を補うなど健康的な食事に努めているパイロットも多いようです。

 

また、フライト後に同乗のクルーと一緒に食事に行くパイロットはとても多く、食事をしつつフライト中の出来事を振り返ったり、和気あいあいと過ごしています。

 

このようなリフレッシュも、疲労回復に一役買っているといえるでしょう。

 

食事の内容も、一人だとついコンビニやお弁当などで簡単に済ませてしまいがちですが、仲間と食卓を共にすることによって栄養価の高い豊かなものになります。

 

 

今一番気になる感染症対策。パイロットはどうしている?

 

その4:感染症対策

客室乗務員やパイロットは新型コロナウイルスが話題になる以前から、感染症への意識は高く、対策をしっかり行っています。

 

なぜかというと、欠勤が発生すると最悪の場合便が欠航することになり、お客様に多大なご迷惑をお掛けしてしまうからです。

 

それでは、気になる感染症対策についてみていきましょう。

 

乾燥対策

機内やステイ先のホテルは非常に乾燥しています。

そのため、現在はパイロットもマスクを着用し、フライト中こまめな水分補給をおこなっています。

 

ステイ先のホテルではバスタブに熱いお湯を張って部屋全体の湿度を高めたり、加湿器を積極的に使用し乾燥対策をしています。

 

消毒、除菌

こまめな手洗いやアルコール消毒のほか、コックピット内で人の手が触れるところは除菌シートなどで拭き清潔性を保っているそうです。

 

また、先述した通り簡単に薬に頼ることが出来ないため、抗菌作用の高いマヌカハニーを愛用している人もとても多くみられます。

 

早めの体調の「報・連・相」

報告・連絡・相談。「そんなこと?」と思われるかもしれませんが、パイロットやCAにとって何よりも重要と言えるかもしれません。

 

なぜかというと、もしパイロットが体調に不安を抱えていても誰にも言わず、フライト中に急に悪化したら、大事故に繋がる非常事態になる可能性があります。

 

上空では代わりの乗員を手配することもできません。

 

このような事態を避けるため、パイロットやCAはフライト前のブリーフィングと呼ばれるミーティングで必ず健康状態を確認します。

 

無理してフライトしない、体調に変化があれば早い段階で「報・連・相」しクルー全員に周知する。

 

これは今回の新型コロナウイルスのような感染症が発生した際、感染を拡大させないために一般企業でも実践すべき重要ポイントといえるのではないでしょうか。

 

 

最後に

いかがでしたか?

 

パイロットには高い自己管理能力が必要と述べましたが、決して大袈裟なものではなく、今日からでも取り入れられそうな内容がほとんどだったかと思います。

 

基本的なことの日々の積み重ねによって、感染症にも負けない健康な身体づくりはできるんですね。

 

ご紹介した健康管理術が、皆様の健やかな毎日の一助になれば幸いです。

 

 

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