【聖火をつなぐ】5 「県内最高齢、練習重ね」 谷淑子さん(89)(徳島市弓町3)

 8月に90歳を迎える徳島県内最高齢の聖火ランナーだ。「人生で最高の思い出になる。しっかりと準備を整えて臨みたい」

 ウオーキング愛好家でつくる「徳島市民歩こう会」の顧問で、毎日1万歩以上を歩く。天神社(新町橋2)でラジオ体操に参加した後、眉山の山道を回って帰宅するトレーニングを30年以上続けた。4年前に大腿骨を骨折してから山道は避けているものの、歩数は変わらない。

 子どもの頃はスポーツが苦手で、読書をしたり、挟み将棋に興じたりしていた。転機は夫の転勤で東京に移り住んだ40代。右膝を痛め、医師から足の筋肉を鍛えるよう勧められた。「足腰を鍛えると痛みがなくなった。徳島に戻ってからは近所の人と眉山に登るようになり、山歩きが大好きになった」

 社会活動にも積極的だ。散歩の際に1人暮らしの知人に声を掛けるなど、見守りに努めている。足腰が弱い近隣住民に代わって、空き缶や新聞紙など資源ごみを回収するボランティアにも汗を流す。

 聖火ランナーに決まった昨年12月から0・5キロの重りを右手に持って歩くトレーニングを始めた。1月に0・8キロ、2月に1キロと徐々に重くして、3月にはトーチと同じ1・2キロに合わせる。

 当日は県内外に住む孫やひ孫、歩こう会の仲間が応援に駆け付ける。「自慢の健脚で、しっかりとトーチをつなぎたい」と語った。

トーチを持って走れるよう、トレーニングに励む谷さん=徳島市弓町3

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