「オリンピックに関われる。お母さんと抱き合って喜んだ」。徳島県内最年少の聖火ランナーは内定した時の感激が忘れられない。「祭典の雰囲気を楽しみたい」と、本番を心待ちにしている。
幼い頃から運動が好きで、武道に興味があった。小学5年の秋に鳴門市内の柔道場を見学。次々と投げ技を決める選手に憧れて柔道を始めた。
昨夏に市内で行われたドイツ代表チームの合宿を見学した。世界選手権東京大会を目前に控えたドイツの選手と交流し、さまざまな学びがあったという。「第一線で活躍する選手は、地道な努力を重ねて技を磨いていると知った」
トップアスリートが集まる東京五輪への関心が一気に高まり、チケットの抽選に応募した。しかし、どのチケットも入手できなかった。気を落としていたところ、母親のふみさん(44)から「聖火ランナーとして五輪に関わる方法もある」と提案された。早速、県実行委員会に自己推薦文を送った。「五輪の会場に行けなくても、ランナーとして参加したい」と熱い思いをつづった。
聖火ランナーに決まって以降、友達や近所の人に「おめでとう」「見に行くよ」と激励を受けている。トーチを手に、任された区間を無事に走り切る様子が夢に出てくる。「転ばないようにゆっくり走りたい」と笑顔を見せた。