アドレナリン投与忘れで検証 男性死亡 因果関係なし 佐世保市消防局

 佐世保市東消防署の救急救命士が昨年12月、心肺停止の70代男性を病院に搬送中、心拍の回復を促すアドレナリンの投与を忘れ、その後男性が死亡した問題で、医師などでつくる協議会が、医療ミスと男性の死亡との間に因果関係はなかったと判断していたことが10日、分かった。
 市消防局によると昨年12月24日、心肺停止の男性を救急車で搬送する際、50代男性の救急救命士が、医師から4分間隔でアドレナリンを投与するように指示を受けたにもかかわらず、失念して14分間投与しなかった。医師や消防関係者でつくる「県北地域メディカルコントロール協議会」が、死亡との因果関係を検証していた。
 遺族によると、2月下旬に市消防局の職員から「検証の結果、アドレナリンを投与しても、蘇生することはなかったという見解だった」と説明を受けたという。遺族の男性は「こういう結果になると思っていた。消防局に対する不信感は残っている。今後このようなミスがないようにしてほしい」と話した。
 市消防局は13日の市議会総務委員会で、検証結果について報告する。


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